FacebookやTwitter、Instagramに加え、新たにMastodonという新しいサービスも注目され始め、SNS漬けの毎日に拍車がかかりそうですよね。「SNSをやっていない人なんていない!」と言いきれるほどの世の中ですが、その中でもひと際話題を集めているのが「キラキラアカウント」の出現でしょう。ラグジュアリーな暮らしぶりは羨ましいけど、内容が非現実的であったり攻撃的すぎたり、あるいは中の人が特定され、真っ赤なウソを投稿していたことが判明… なんてこともあります。キラキラアカウントとまでは行かずとも、SNSで現実とは異なる自分を演じている人は少なくないはずです。例えば…。
1. 自撮りはSNOW必須!
手っ取り早く承認欲求を満たすのは、やっぱり自撮りです。「自分の顔が嫌いすぎて辛い」だの「痩せなきゃ」だの予防線を張る割には、ガチガチのキメ顔を投稿… というような構図は昔からありました。しかし最近ではそれに加えて、SNOWによる加工が施されている場合もあります。肌は真っ白になり、目もぱっちりになり、さらに、多くの日本人がコンプレックスを抱えていると思われる鼻は動物風のスタンプで隠すこともできます。さらに顎を短くして小顔&童顔にすることも可能。
「#かわいいと思ったらRT」なんてハッシュタグが付いていることもありますが、でもそれって本当のあなたじゃないですよね…?スマホをスリープさせて真っ暗にしたとき液晶に映る、加工の解けた自分を見て悲しくなったりしないんでしょうか。
2. 創作実話ツイート
創作実話ツイートとは頭の中で考えた出来事を、さも実際に体験したかのように書くこと。もちろん、誰かを陥れてやろうという悪意はありません。「電車の中で男子高校生がイチャついていて…」「綺麗なお姉さんが実は腐女子だったらしく…」などこちらは単純な妄想系です。
「帰り道でサラリーマンにナンパされて…」「電車でマナーの悪いおじさんに正論をぶつけたら拍手喝采で…」こんなのは承認欲求系とでもいいましょうか。SNSで話を盛ることが悪いとは言わないし、「創作」としっかり銘打つなら噓をついても駄目というほどでもないのかもしれません(迷惑のかからない範囲であれば)。
映画でも多重人格がちらほら
他にも色々ありますが、大体はやはり自己顕示欲と承認欲求が原因ですよね。わざわざ批判するほどの悪事ではないけれど、そのうち「噓の自分と本当の自分の乖離」に苦しめられるなんてことにならないか心配です。
「あれ、これって私のことかも?」と不安になったあなたにオススメしたいのが、「ふたつの顔、ひとりの自分」状態になった人たちが活躍(?)する映画。悲劇に巻き込まれる登場人物たちの姿を見て、SNS多重人格生活と決別する勇気を手に入れましょう。
『ドリームハウス』
作家を志し、出版社を円満退職したウィル・エイテンテンはニューヨーク郊外に家を買い、妻と二人の娘と新たな暮らしを始める。しかし幸せは長くは続かなかった。不審者が窓から覗き込んでいたり、若者達が勝手に家に入り込んで謎の儀式をしていたり…。聞けば、この家では5年前に一家惨殺事件が起きていたということ。事件の容疑者は一家の父親であるピーター・ウォードという男で、妻と娘2人を銃殺した後、自らも重症を負い、今では更生施設に入れられているという話だった。入所している施設をウィルが訪ねたところ、なんと部屋の中でウィル一家の写真を発見する。調査のため、ピーターの映像を見せてもらったウィルだが、そこに映し出されたのはウィル本人の姿。ウィルこそが施設に5年入所していた容疑者ピーター本人であり、今まで一緒に暮らして来たはずの家族達は彼の妄想。本当は5年前に殺されていたのだ。
自分の知らない自分がいる、記憶や認識が改変されているかもしれない…。主人公のウィルを見ていると、そんな恐怖に襲われます。さすがに彼は特殊なケースですが、あんまり「理想の自分」を演じすぎていると、いつか現実との区別がつかなくなるかもしれませんよ。
『サイドエフェクト』
ルーニー・マーラ演じる女主人公エミリーは、夫マーティンが株の違法取引で逮捕されたことをきっかけにうつ病を発症し、自殺未遂にまで追い込まれる。主治医のバンクスは、元主治医であるシーバート博士の許可を得て新薬アプリクサを処方する。しかしそれによってエミリーは日々薬の副作用に苦しめられることになり、果てには夫のマーティンを刺殺するという事件にまで発展してしまう。裁判で彼女は精神の異常が認められ不起訴となったが、非難は薬を処方したバンクスに集まり、彼は職を追われることに。不審に思ったバンクスは、エミリーとシーバートの共謀を疑い、独自に調査を始める。その結果、エミリーのうつ病は全くの噓であり、全ては元主治医のシーバートと共に株で儲けるために仕組まれたものだったと判明する。バンクスは2人への復讐を果たし、また元の生活に戻っていく。
「ウソついたら針千本飲ます」と言って子供時代によく遊んだものですが、この映画は噓つきの2人が見事に成敗されています。さすがにここまで大仰な噓をつく人はそうそういないと思いますが、どんなウソだっていつかはほころびが出てしまうものです。ウソがバレると信頼を大きく失います。SNSで気軽に創作実話を投稿している皆さん、ゆめゆめ、注意されたし。
最後に
匿名SNSのいいところって、違う自分になれるところで、現実に飽き飽きしたときには、良いリフレッシュになりますよね。でも、あんまり自分を見失いすぎると、彼らのような事態に陥ってしまうかも…?正しい使い方を心得て、快適なSNSライフを送りましょう!