SATCこと、『セックス・アンド・ザ・シティ』。全6シーズン、94話の放送で、多くのファンを虜にし、ニューヨークの魅力の再発見に繋がりました。放送スタートが19年前というのが信じられないくらい、今でも魅力的に感じられる名作ドラマです。今回は、そのSATCの魅力を再度見つめ直してみたいと思います。
1. 女子トークがリアル
まず、SATCがここまで長く愛される名作ドラマである理由!それは、女性陣のトークが他のドラマと比べて格段にリアルな点ではないでしょうか。100%女性向けドラマというコンセプトで誕生したドラマですので、完成度の高い脚本やセリフ、キャスティング、すべての面で非の打ち所がありません。その結果、世の独身女性を虜にしてきました。リアルすぎるトークを聞いていると、キャリーが視聴者の友達かの様に感じられる程でした(個人的にはSATCを見ると、女子の悩みって全世界共通なんだなぁとも感じました)。
2. ファッショントレンドを作り出した
ドラマ発のブームというのは、いつの時代もあるものです。ですが、6年間(映画も入れると12年)もの放送の中で、長期的にファッショントレンドを作り続けてきました。
例えば、自分の名前が入ったネックレスはSATCによって大流行となったファッションアイテムと言われています。また、キャリーがオープニングで着ているチュチュのスカートは、各ブランドが似たアイテムをこぞって作りました。ブームになるだけでなく、その後定番商品にまでなったのは驚きです。キャンディス・ブシュネル(ドラマの原作者)が描いたのは骨組みだけでしたが、ここまでのブームになるとは予想できなかったはず。
3. 全く違うタイプの女性の恋愛模様が参考になる
キャリー、サマンサ、ミランダそしてシャーロット。どの女性も、それぞれ魅力的です。その彼女達が、彼女達なりに気になる男性陣と恋に落ちる。もちろん中には、あり得ない性格の男性であったり、悲惨なトラブルにも巻き込まれます。でも、そのリアルな恋愛模様こそが参考になるのです。あり得ない……これは創作だろ、と思うような内容が、実は原作者のリアルな体験談だったりします(シーズン6、エピソード7では主人公キャリーが恋人のバーガーにポストイットで別れを告げられるシーンがありますが、なんとそれも経験がもとになっているとか)。ある意味自分の人生を切り売りしたストーリーだからこそ、バイブルとまで呼ばれるのではないでしょうか。
4. 大都会に住む、強い女性に憧れる
ニューヨークといえば、全ての夢が叶うと言われる街。その反面、そこで働いている人達は仕事詰めで人間的な生活ができないとか、冷酷な人間が住む町とか言われる部分も多いです。ニューヨークで暮らすということは、忙しさの中で心身の健康を削り取られ、夢や憧れを見失ってしまうリスクと背中合わせであると言えました。
でも、SATCが放送されると、サマンサやキャリーになりたいという女性達が数多くあらわれました。今までは、夢をかなえる為の漠然とした憧れの街、虚構の街といったイメージでしたが、放映中はリアルな憧れを向ける対象へと変容したのです。さらに、自分自身が生きるという事に対して、雲をつかむようなシンデレラストーリーを求めるのではなく、主人公になって切り開くというモチベーションも増したと思います。
5. 女性の生きざまとは何か
このドラマを見た結果、新しい価値観が生まれたという人も多くいました。SATCの4人にはそれぞれの良さと弱さが同居しています。その弱さを認めて、自分らしさ女性らしさとは何かというのを追求していくストーリーがSATCの本筋だと思います。ある意味それは、女性の生きざまとは何かということの一つの解答です。
サラ・ジェシカ・パーカー公式Instagramアカウント(@sarahjessicaparker)より
これは、2時間そこそこの映画では描けない奥深い世界観だからこそだと、私は思っています。ぜひ、魅力的な女性陣を学べるSATCをもう一度見返してみませんか?『セックス・アンド・ザ・シティ』シーズン3はFOXクラシックで放送中(詳細はこちら)。