from NY 『24:レガシー』のコーリー・ホーキンズが、ブロードウェイの舞台で大活躍!

JALEE編集部

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世界中から様々なエンターテインメントが集まる街、ニューヨーク。中でもブロードウェイでは、毎晩50近くの劇場でミュージカルをはじめ、様々な劇が上演され人々を魅了しています。今回、FOXでもお馴染みの俳優が現在ブロードウェイに出演中とのことで、早速見に行ってきました。お目当ての俳優とは、FOXの人気番組『ウォーキング・デッド』に出演し、『24:レガシー』では主人公エリック・カーター役を演じた、コーリー・ホーキンズ。

 

 

名門ジュリアード音楽院の演劇学科で演劇を学んだコーリーが今回出演しているのは、現代アメリカを代表する劇作家の1人、ジョン・グエアによる戯曲『Six Degree of Separation : 6次の隔たり』。この作品は、1990年にブロードウェイで初上演され、その年のトニー賞演劇作品賞にノミネート、1993年にはストッカード・チャニング、ウィル・スミス出演で映画化(邦題『私に近い6人の他人』)もされています。ストーリーは、NYの高級アパートに住む美術商のキトリッジ夫妻の所に、黒人青年ポールが怪我をして転がり込んできた所から始まります。ポールは、キトリッジ夫妻の子供の同級生だと語り、名優シドニー・ポワチエの息子だと名乗ります。洗練され、知性溢れる彼の話にすっかり魅了されてしまったキトリッジ夫妻ですが、その後、彼の語る言葉が全てが嘘で、実はボストンのストリート出身の青年だったことを知ります。その嘘を知っていく過程で、キトリッジ夫人は自分たちの生活がいかに上辺だけのものだったかを自覚していきます。

 

 

全体を通してウィットに富み、テンポの良い会話とペースで進んでいく中で、コーリー演じるポールは上流階級の人々を魅了する会話とチャーミングさを持ちながらも、上流階級への憧れとストリート出身の本来の自分が見え隠れする、複雑な感情をさらけ出す難しい役どころ。『24:レガシー』や『ウォーキング・デッド』で見る彼とは、かなり掛け離れたキャラクターということで、どのような演技を見せてくれるのかワクワクしながら幕が開けて、コーリーが登場!今回の舞台で、キトリッジ夫人を演じる名優、アリソン・ジャニーに一切引けを取らない存在感に目が釘づけとなりました。

 

 

人気漫画『ガラスの仮面』で月影先生が、北島マヤに「あなたは千の仮面を持っている!」と言うセリフがありますが、まるで舞台に立つコーリーは様々な仮面を器用に付け替えているかのよう。さらに彼の台詞回しに耳を傾け、立ち振る舞いを見ていると、シドニー・ポワチエの様に見えてきたり、デンゼル・ワシントンが重なって見えたり…。終始コーリーから目が話せないまま、あっという間に幕が閉じました。

それにしても、約2時間近くセットチェンジも幕間もない中で、よく観客の視線を釘づけにしておけるなと本当に感心しました。さすが、フォーブス紙の“30歳以下で注目の30人”(2016年版)に選ばれるだけはある。ちなみに、コーリーはこの作品で第71回トニー賞の演劇部門 主演男優賞にノミネートされています。ライバルの作品を見ていないのでなんとも言えませんが、是非彼に受賞して欲しい!トニー賞は米国時間6月11日に授賞式が開催されます。コーリーの今後のスケジュールに関しては、『24:レガシー』が続投するのかどうか次第ですが、今後、彼の姿をスクリーンで見る機会は益々増えそうです!

最後に余談ですが、ブロードウェイの素敵な所は、ファンと役者の距離が近いこと!この日も、上演後に会場横の関係者入り口でしばらく待っていると…コーリーを始め、アリソン・ジャニー、ジョン・ベンジャミン・ヒッキーなどが出てきてパンフレットにサインをしてくれました。

 

Kay/NY在住TVコーディネーター&プロデューサー

日本のFOXチャンネルで約7年に渡りエンタメ情報番組のプロデューサーを経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。アメリカのエンタメと美味しい食べ物をこよなく愛し、NYの最新情報を収集・探検する毎日を送っている。