6月11日の日曜日、最高気温32度と熱気ムンムンのニューヨークで、米演劇界最大の祭典「第71回 トニー賞授賞式」が開催されました。会場は、ブロードウェイの劇場が立ち並ぶシアター・ディストリクトから歩いて7分程のラジオシティ・ミュージックホール。早速、現地に行ってみると、大勢のファンが大好きなスターを一目見ようと集まっていました!
レッドカーペットには、スカーレット・ヨハンソンやアナ・ケンドリックを始めとするスター達が華やかなドレスに身を包み登場。夏に行われる授賞式ということもあってか、白や軽やかな素材のドレスが目立っていました。中でも私のお気に入りは、レッドカーペットの常連でおしどり夫婦のジョン・レジェンド&クリッシー・テイガン夫妻(写真下)。くびれを強調するようにゴールドのラインが入った、パメラ・ローランドのホワイトドレスは、クリッシーのようなパーフェクト・ボディーにしか着こなせない憧れの一着!そんなゴージャスな妻をさらっとエスコートするジョンのタキシード姿も、パープルのボウタイが目を引き素敵です。クリッシーと結婚して以来、映画やTVなど音楽以外でも大活躍なジョンはこの日、共同プロデューサーとして参加した舞台「ジトニー」で演劇リバイバル作品賞を見事に受賞しました。
トニー賞公式Instagramアカウント(@thetonyawards)より
そしてこの夜、演劇助演女優賞を受賞したのは、日本でも大人気となったドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」でミランダ役を務めたシンシア・ニクソン(写真下右)。ドラマの中では、男勝りな弁護士役ということもあって、パンツスーツやビジネススタイルをパリッと着こなしている印象が強い彼女ですが、この日はスウィートなピンクのドレスで登場。背中に床までの長さがある大きなリボンが付いたフェミニンな出で立ち。51歳にしてこのドレスを着こなせちゃうなんて、本当に素敵な女性です。
トニー賞公式Instagramアカウント(@thetonyawards)より
世界最高レベルの歌唱パフォーマンスが繰り広げられる華やかな授賞式で、今回司会を務めたのは、人気ドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」で主演を務めるケヴィン・スペイシー。私の中ではシリアスな印象しかない彼なのですが、さすがはオスカー俳優!各ノミネート作品をパロディしたオープニングナンバーでは、モノマネ、歌、踊り、最後はタップダンスまで披露し魅了してくれました。
今回のトニー賞で最多受賞となった作品は、6部門に輝いた「ディア・エヴァン・ハンセン」。オフブロードウェイでスタートして、昨年11月からブロードウェイで上演。SNSや引きこもりの子供とその親など、現代ならではのテーマを取り上げたミュージカルで、しばらく前からチケットを取るのが困難な状況…。授賞式でのパフォーマンスも素晴らしかったので、いつか見に行きたいと思います。ミュージカル演出賞に輝いた「カム・フロム・アウェイ」も是非見に行きたい作品の一つ。2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件で、行き場を失った飛行機がカナダの小さな街に緊急着陸し、しばらく足止めを食らった乗客と地元の人との触れ合いを描いたハートウォーミングなミュージカル。2017年3月に上演が開始されたばかりの新しい作品なのですが、口コミで話題となって、あっという間に人気作品になりました。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞とは一味違い、全編に渡り歌や踊りが溢れていたトニー賞授賞式。アメリカのエンタメの層の厚さを改めて感じた一夜でした。

Kay/NY在住TVコーディネーター&プロデューサー
日本のFOXチャンネルで約7年に渡りエンタメ情報番組のプロデューサーを経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。アメリカのエンタメと美味しい食べ物をこよなく愛し、NYの最新情報を収集・探検する毎日を送っている。