【ほろ酔いシネマナビ】絶対に死なない男の持つ「アツさ」とは?

JALEE編集部

JALEEならではの海外ドラマ情報を発信しています。

JALEE編集部 の他の記事を見る

お初にお目にかかります。コラムニストの芥川奈於と申します。私の独断と偏見に満ちた映画レビューのコーナーにようこそ。数ある映画作品の中から、気になる娯楽映画、懐かしの名作、ほろ苦いドラマ映画などを様々な視点で紐解き、それぞれに似合った「お酒&おつまみ」と共にお送りします。どうかお楽しみ下さい!

【「ダイ・ハード」(1988年)】


amazon.co.jp

 温暖化も手伝って、7月からの日本列島は益々暑くなる一方。でも、暑い時には、より熱いもので汗を流したくなりますよね。そんな時にピッタリなのは、「最も『アツい』男」が主人公の、手に汗握るアクション映画ではないでしょうか?

今回は、ブルース・ウィリスの代表作『ダイ・ハード』シリーズの1作目を取り上げます。一部ネタバレもありますので、NGな方はご注意を!

 その前に・・・

 

〜今宵のお酒&おつまみ〜
生ビールとミモレット

【夏はアツい男にピッタリの季節!】

 夏といったら生ビールでしょ!生ビールのガブ飲みといったらジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス/演)並みの男臭さでしょ!東京の浅草には「男は黙ってサッ○ロビール!」という看板があるくらいですもの。これは『ダイ・ハード』を見るには、もってこい。

 でも待って下さい、女子だってビールを嗜みたいですよね。そんな貴女のために、おつまみは、ちょっとオシャレなハード系チーズのミモレットはいかがでしょうか?丸々1個買うのは至難の技ですが、高級スーパーで売っている切り売りのものや、今は日本の企業が出している安価なものまであるので、気軽にチャレンジできますよ。最高にハードなアクションのお供には、ぜひハードなおつまみを。

 それにしても日本企業はすごい。なんでもかんでも作り出す、器用な一面は戦後からずっと変わらないイメージです。

【そんな日本企業の進出に警鐘を鳴らす男の本心】

 『ダイ・ハード』は、テロリストに占拠された高層ビルディング「ナカトミビル」が舞台。(ちなみに、このビルの本当の名前は「フォックス・プラザ」と言って、20世紀FOXの本社ビルだったりします)

 時は80年台後半、つまり日本のバブル期。好景気に包まれた日本は、海外、特にアメリカへの進出に対して、目まぐるしい展開をしました。大手企業がウェスティンホテルやロックフェラーを買収したのは、本作が公開された、まさにその時期。ハイテクノロジーを駆使した、日本名の「ナカトミビル」が舞台になる理由にも頷けますね。犯人たちは、テロを起こした目的を「アメリカに進出する日本企業への警鐘」と謳っています。うんうん、なるほど!と時代背景に合った設定に大きく頷けます。

 しかし、彼らの真の目当ては、地下金庫に眠る無記名の高額債券を奪うこと。かなりセコい。テロリストのリーダーである無慈悲な殺人犯、ハンス(アラン・リックマン/演)の本心は、日本企業に釘をさす!といった宣言とは全く関係なく、ドでかい額の現金につながるものが欲しいというだけ。本当にセコいんです。

そんなセコい理由で人質をとったり、簡単に犠牲者を出したりする奴に「アメリカで1番アツい男」ジョン・マクレーンが黙っているはずがありません。彼は寒さもピークの12月の夜、裸足にランニングシャツという無防備な軽装で犯人たちに立ち向かうのです。絶体絶命の危機に何度も晒されるジョンですが、そこは「アツい男」ならではの戦法を駆使して、絶対に死なない!

嘘でしょ? こんなことがあったのに? と疑う余地もないくらいハイスピードな展開に、ついていくのがやっとなこの映画の中で、本当に絶対に死なない!

そんな風に、テロリストたちを汗だくになりながらバンバンと倒していく、とっても強くたくましい男、ジョン・マクレーン。

けれど、彼にも唯一の弱点があります。それは彼の妻、ホーリー(ボニー・ベデリア/演)。ジョンは、せっかくのクリスマス・イブなのにホーリーと喧嘩をしてしまいます。その後、人質に取られた彼女を救うため躍起になり、最後はハッピーに仲直り。でも、どこか噛み合わず、そして頭が上がらない。この2人の絶妙な関係もこの作品の魅力のひとつではないでしょうか。

【他とは違う「アメリカン・ヒーロー」の人間性】

 アメリカに存在する様々なヒーロー。アメコミから飛び出した者、戦争や、それこそアクション映画で活躍する者。でも、ジョン・マクレーンほど人間味に溢れた男の中の男、つまり「アツい男」=ヒーローは、なかなかいないのでは。

 拳銃ひとつから始まる刑事の泥臭い戦闘スタイルと、生身の人間のたくましさを「これでもか!」と見せつけてくれるヒーローが、汗を流しながら活躍するこの作品は本当にアツい。そして夏はやっぱり熱いものが欲しくなります。アツいものには熱いものを!ということで、こんな映画を生ビールとハードなチーズとともに堪能してみてはいかがでしょうか。

『ダイ・ハード』は、7月16日(日)よる10時35分ほかよりFOXムービーにて放送予定です!(詳細はこちら

 

Text:芥川奈於

Illustration:のむらあい

芥川 奈於 (あくたがわ なお):動物イラストレーター、コラムニスト。映画、小説、テレビ番組などについて書く。「ねこ新聞」にイラストを連載。WEBサイト「しらべぇ」や「キノノキ」他にてコラムを連載中。新鋭作家との対談や本屋探訪、ユルいラジオも開始予定。曽祖父は芥川龍之介。