【ほろ酔いシネマナビ・2杯目】リヴァー・フェニックスの原点はココ!

JALEE編集部

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まだまだ暑い日々が続きますね。熱中症対策は万全でしょうか?

 こんにちは、または、こんばんは。本日も素晴らしい映画作品について、偏りつつも語っていこうと思います。今回は誰もが頷くほどの、往年の名作とも言える青春映画ですよ!皆さまのひと夏の思い出として残ってくだされば幸いです。

【スタンド・バイ・ミー(1986年)】

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 日本では、ただいま夏休み真っ盛りの子供たちも多いはず。たくさんの楽しみに胸をはずませていることでしょう。家族旅行、川遊び、山登りに海水浴…。かつて子供だった皆さんにも、長いバケーション中の、絶対に忘れられない心に刻まれた思い出があるのでは?そんな方々にぜひご覧頂きたい本作。夏の終わりの少年たちの、輝かしくも切ない記憶が存分に詰まっています。原作は、ホラー小説の神様であるスティーヴン・キングの「非ホラー」と言われている短編小説。映画は原作をベースに、見事な青春ものとして仕上がっています。

 さて、内容の前に…

 

〜今宵のお酒&おつまみ〜

エメラルドクーラーとオリーブ

【甘酸っぱくも、ほろ苦く酔いたい気分の時に】

 青春。それは人生の中で二度と訪れることのない、美しくも切ない時期。甘く苦く、時にスカッと爽やかな気分にもなりましたよね。そんなひと時に似合うのはエメラルドクーラー。ジン・ベースのお酒なので「なんだか強そう!」と思われがちですが、レモンジュースやガムシロップと合わせたカクテルなので飲みやすいんです。甘さを感じたり、でも胸が熱くなったり…。

おつまみには、ジンに合う、定番の酸っぱいオリーブを。オリーブの花言葉は「平和」。白い鳩もやってきそうな美しさを感じます。この2つのコンビネーションを楽しみつつ、甘酸っぱい青春を思い出しながら鑑賞してみてはいかがでしょうか。

【見つめなおしたいリヴァー・フェニックスの儚さと美しさ】

 夏の終わり。少しおっちょこちょいな少年バーン(ジェリー・オコンネル)は、クリス(リヴァー・フェニックス)の兄で素行の悪いアイボール(ブラッドリー・グレッグ)と、その不良グループのリーダーであるエース(キーファー・ザザーランド)たちから、電車に跳ねられた少年の遺体が森に残されているという話を聞いてしまいます。バーンとクリスの親友であるゴーディ(ウィル・ウィトン)、そしてテディ(コリー・フェルドマン)たち4人は、子供ならではの安易な考えで、遺体を捜すために、線路沿いに森の中へ向かいます。様々な冒険と事件が待ち構えていることを知らずに…。

アメリカの小さな町に住む4人の少年たちは、普段、木の上に作った小屋の中でタバコをふかしたりトランプに興じたりしています。なんと言うか、大人。

 中でもハマり役なのは、天才子役だったリヴァー・フェニックス。彼が演じるクリスは仲間うちの誰より大人びており、頭も良くて友達を大事にする勇敢な少年なのですが、兄が不良ということもあって、どこか悲観的なんですよね。そこがまたいい〜!影のある少年は素敵~!そしてそんな役を演じきったリヴァーもカッコいい〜!もちろん、映画『グレムリン(1984年)』や『グーニーズ(1985年)』でも有名な子役出身のコリー・フェルドマンの存在も面白いのですが、リヴァーの演技や、クリスという少年にピッタリのルックスと表現力は、さらに秀逸。リヴァーが23歳という若さで亡くなってしまったことは、本当に悔やまれます…。そして特筆したいのは、クリスの兄が属する不良グループのリーダーを演じているのがキーファー・サザーランドだということ。彼の代表作と言えば、海外ドラマで大ヒットしたドラマ『24(2001〜2010)』シリーズのジャック・バウアー!アメリカ政府機関CTUに所属するジャックは、強靭な肉体と頭の回転の早さで数々の難問を潜り抜けていく有能な人物。他に有名な役どころでは映画『ヤングガン(1988年)』シリーズの自衛団の一人・ジョシア・”ドク”・スカーロック。実在する人物のビリー・ザ・キッドを主人公にしたガン・アクション映画の中で、ドクは仲間と共に追っ手を派手に撃ちまくり、お尋ね者になってしまうという、こちらもなかなかイカした役です。彼の演じているキャラクターは、立場は違うけれど、どれも泣く子も黙る男=漢!という印象ですね。

 『スタンド・バイ・ミー』の話に戻りますが、個性ある4人の少年たちの冒険や困難、衝撃の事実までの流れを追った上でのラストシーンは、思いっきり胸に響き、涙なしには見ていられません。この作品は、そんな儚くも美しい子供たちの魂をキメ細かに描いてくれています。ストーリーが終わっても、彼らの友情とロマンあふれる人生は永遠に続くのです。

【あなたの青春時代を思い出すきっかけに…】

 男性の方は、ご自身の少年時代と比べて、彼らの生き方は素晴らしいと感じますか?また、女性たちは少女時代に、4人のような少年に憧れてはいませんでしたか?余談ですが、私だったら、ちょっと憂いのあるクリス=リヴァー・フェニックスに恋をしていたと思います…。この作品に登場する、まさに青春時代を送っている少年たちは、誰もが個性的で宝石のようにキラキラと輝いています。そう、今あなたが手にしているかもしれないエメラルドクーラーのように。ジンを口にしながら是非ジ〜ンと感動して下さいね。と、親父ギャグで締め逃げます!

Text:芥川奈於

Illustration:のむらあい

芥川 奈於 (あくたがわ なお):動物イラストレーター、コラムニスト。映画、小説、テレビ番組などについて書く。「ねこ新聞」にイラストを連載。WEBサイト「しらべぇ」や「キノノキ」他にてコラムを連載中。新鋭作家との対談や本屋探訪、ユルいラジオも開始予定。曽祖父は芥川龍之介。