1. 極限におけるチームマネージャーの生き方
生きるか死ぬかの世界では、とてもじゃないけど民主主義には頼っていられません。シリーズの序盤では穏やかだった主人公リックも、ストーリーが進むにつれ独裁的なリーダーとなっていきます。
例えば、外の世界で何が起きているのか理解していない囚人たちと合流した際、リックは「囚人は信用できない」という理由で彼らを即射殺。中には協力を申し出る者もいたのですが・・・。
他にも、メンバーが少しでも怪しい動きを見せたり、逃走したりするようなことがあれば猶予を与えず殺してしまうリック。普通の日常を送る私たちからすれば完全に嫌なヤツといった感じですが、ゾンビだらけの状況ならば話は違うのかも。
(c) AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved.
冒頭でも述べたように『ウォーキング・デッド』で描かれるのは、まさに生きるか死ぬかの世界。一人でも多くの仲間を生き残らせるためには、「こいつの言い分は正しいか?」「こいつは本当に味方なのだろうか?」と、悠長に考えている時間はないのでしょう。
無論、私たちの日常ではそんなリーダーシップの取り方は御法度。それでも、短い時間で最大公約数的な答えを出さなければいけない瞬間もあります。リーダーを目指す人には、いざという時に非情とも思えるような判断をするための勇気と覚悟が必要です。
2. 口だけ男になるか、不言実行とするか
危機的状況に陥ると、どうしても本性を出してしまうのが私たち人間。シーズン1に登場するギャングのギレルモは、危機的状況において自己の欲求に優先されるべき役割をしっかり認識しています。詳細に述べるとネタバレになるため言及は避けますが、彼はギャングリーダーにまでのし上がりました。傍から見ると危険分子で、行動についても少々過激な側面がありますが、自分の命に危機が迫る中でも、弱者を守るために自己犠牲的な行動を取る彼は、まさにリーダーにふさわしい存在。
現実世界でも彼のような人間は多大な信用を得ています。例えば、納期が間に合わない時、仕事で大きなミスをしてしまった時、誰かが解決しなければならない課題がある時。「オレが職場を回している!」と吹聴する人ほど、実際には行動に移さないものです。損な役割となってでも、チーム全体や弱者のことを考えられる。そんな人間こそが、多くの人からの尊敬を集めるのです。
3. 最悪の状況でも信頼できる相棒の作り方
リックの相棒と言えば、口数が少なく気性の荒いダリル。一見、扱いづらいキャラクタ―のように見えるダリルですが、本作には欠かせない重要な役割を担っています。極限を生きるリーダーのリックは、シリーズが進むにつれどんどん独裁的になり、メンバーに嫌疑の目を向けるシーンも少なくありません。ダリルはその中で一番の信頼を勝ち取り、今や彼無しではチームの生存が不可能なのでは、というほどの存在感に。彼はメンバーの中でも圧倒的な戦闘力を誇り、幾度となくチームに大きく貢献しています。加えて、無私無欲の性格であるため、無口という要素も軽率な言動がないという長所となっています。
(c) AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved.
上に述べたように、大きな口を叩くだけの人はなかなか信用されません。対してダリルのように、黙ってただただ力を発揮する存在は、チームでも憧れの的になることが多いのではないでしょうか。リーダー目線で考えても、危機的状況では一人ひとりとじっくり向き合う時間などありません。まずは突き抜けた実力、そして力を発揮する中で垣間見える本質を素早く見抜くことが大切。あとは勘・・・もとい相性でしょうか。
ゾンビという一見非現実的なテーマでも、手に汗握って見てしまうのは人間関係が極めてリアルだから。つまり、現実の社会でも役立つような生き方を見つけられるという点にあります。特に、なるべく犠牲を減らしてチーム全体の生存に挑戦するという意味では、まさにビジネスそのものです。
FOXでは『ウォーキング・デッド』シーズン7を絶賛放送中。現実のコンクリートジャングルを生き抜く手段の一つとして、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
ウォーキング・デッド シーズン7は毎週月曜よる9時ほかで絶賛放送中!(詳細はこちら)