この夏アメリカでは、黒人女性4人組の友情を描いた映画『Girls Trip』(日本公開未定)がR指定コメディ映画として久々の大ヒットを記録している。
その映画で主演の一人を務めているのが、FOXで放送中のドラマ『STAR 夢の代償』でカルロッタ役を熱演しているクイーン・ラティファだ。日本では海外のドラマや映画好きでないとあまり知られていない彼女だが、アメリカではジェニファー・ロペスに肩を並べるぐらい成功していると言っても過言ではない。
ニュージャージー州で生まれ育ち、NYにあるコミュニティ・カレッジに通っていた彼女は、19歳の時に当時勢いがあったラップレーベルからアルバムをリリース。“ヒップホップのファーストレディー”と呼ばれ女性ラッパーのパイオニアの一人として活躍していた。1995年には女性として初めてグラミー賞ベスト・ラップ・ソロ・パフォーマンスを受賞。
QueenLatifahVEVO公式YouTubeチャンネルより
この曲でグラミー賞を受賞!
1991年スパイク・リー監督の映画『ジャングル・フィーバー』で女優デビューを果たして以来、テレビドラマ『Living Single』で5シーズンに渡り出演。また2002年には、映画『シカゴ』でママ・モートン役を演じその年のゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞にノミネートされ女優としての地位を確立していった。
そんなクイーン・ラティファは、ラッパーとして手にした収入で1991年にFlava Unit Management (現在のFlava Unit Entertainment ) という会社を設立。アーティストのマネージメント業や、映像制作会社として様々な映画やTV番組を手がけ数々の賞を受賞している。また化粧品ブランド、カバーガールと組み黒人女性向けのコスメラインを発売したり、プラスサイズの服飾ラインを発表するなど、ビジネスウーマンとしても活躍している。更に最近では、大手スーパーマーケットチェーンの「マーティンズ」と「ジャイアンツ」で、自らの名前を冠したフラワーアレンジメント・コレクションも販売するなど、ビジネスは多岐に渡っている。
クィーン・ラティファ公式Instagramアカウント(@queenlatifah)より
昨年10月に自ら選んだフラワーアレンジ「The Queen Collection」を発売
移り変わりの激しいアメリカのエンターテインメント業界で、20年以上に渡り第一線で活躍している彼女の魅力とは何だろうか?彼女は私たちが想像する、典型的なハリウッド女優からはかなりかけ離れている。ハル・ベリーのように美人な顔立ちでもないし、アンジェリーナ・ジョリーのように完璧なプロポーションも持っていない。実際、近所に住んでいそうな、親しみやすい雰囲気だ。でもそんな完璧じゃない所に、視聴者たちは魅力を感じるのだろう。
『シカゴ』で牢屋を牛耳るママ・モートンを演じた時も、2006年の映画『ラスト・ホリデー』で死を間際に迎えた独身女性を演じた時も、彼女の演技は人間らしくて愛に溢れ、どこか親近感を覚えた。さらに彼女が関わっている多くの作品は、ポジティブで勇気づけられる。そして過度な露出をしない服装や、常に自分らしいスタイルの着こなしも女性として憧れる。
クィーン・ラティファ公式Instagramアカウント(@queenlatifah)より
映画の公開から一息つく暇もないまま、現在彼女は『STAR 夢の代償』のシーズン2のプロモーション活動を行っている。シーズン2は、FOXの人気番組『Empire 成功の代償』とのクロスオーバー・エピソードから始まるらしい。クッキーとカルロッタの共演がどんなものになるのか、今から放送日が待ちきれない。
『STAR 夢の代償』はFOXチャンネルにて、毎週水曜よる10時ほかで放送中!(詳細はこちら)

Kay/NY在住TVコーディネーター&プロデューサー
日本のFOXチャンネルで約7年に渡りエンタメ情報番組のプロデューサーを経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。アメリカのエンタメと美味しい食べ物をこよなく愛し、NYの最新情報を収集・探検する毎日を送っている。