1982年に公開され、SF映画の金字塔として今なお絶大な人気を誇る『ブレードランナー』。その続編となる『ブレードランナー2049』が、ついに2017年10月27日(金)から公開されます。
SonyPicturesJapan公式YouTubeチャンネルより
舞台は“2049年”の世界。人間と見分けのつかないレプリカントは労働力として製造され、人間社会と危うい共存関係にあった。そんな人間とレプリカントの均衡を守るのが、“ブレードランナー”K。彼は違法な旧レプリカント“処分”の任務にあたる最中、人類存亡に関わる<巨大な陰謀>を知る。そして、その陰謀を暴く重要な鍵を握っていたのは、こつ然と姿を消し“空白の30年間”の〈秘密〉を守り続ける、かつての“ブレードランナー”デッカードだった。“新旧ブレードランナー”が出会うとき、誰もが予想だにしない展開が押し寄せる。
幅広い層から注目を集める今作ですが、話題となっている大きな理由はやはり“SF映画史上最高傑作”との呼び声も高い『ブレードランナー』の35年ぶりの続編であるということ。そこで今回は前作を簡単におさらいするとともに、新作でハリソン・フォードとW主演に抜擢されたライアン・ゴズリングのフィルモグラフィーを振り返ります!
前作『ブレードランナー』とは?
映画『ブレードランナー』は、SF小説の大家である作家フィリップ・K・ディックが1968年に発表した短編小説、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としています。監督は『グラディエーター(2000年)』で第73回アカデミー賞を獲得したリドリー・スコットが務め、主演は『スター・ウォーズ』シリーズのハリソン・フォードです。続編である『ブレードランナー2049』では、リドリー・スコットは製作総指揮に立場を移し、監督は『メッセージ(2016年)』で記憶に新しいカナダ出身のドゥニ・ヴィルヌーヴが担当します。
同作品は、それまでのSF映画にはなかった世界観を提示し、大変多くの映画監督に影響を与えました。例えば、作中では主人公のデッカード(ハリソン・フォード)が日本の屋台を模したようなところで食事をするシーンが登場したり、ビルに巨大な舞妓(まいこ)のホログラムが投影されていたりします。東京の景観をモデルのひとつにしたとも言われる近未来の風景は、とてもスタイリッシュで見とれてしまいます。圧倒的ビジュアルに加えて、人間の実存についての問いかけやアンドロイドの自我を主題としており、非常に厚みのある物語が展開されます。
ライアン・ゴズリングとは?
続いて、ライアン・ゴズリングについてご紹介。実は俳優としてのキャリアが長く、ディズニーチャンネルで子役として活動をスタートさせたのち、『タイタンズを忘れない(2000年)』などをきっかけに映画界へと進出しています。ライアン・ゴズリングが主演し、今年日本でも公開された『ラ・ラ・ランド(2016年)』は、第74回ゴールデングローブ賞7部門で受賞するなど高い評価を受け、彼自信も主演男優賞を獲得しました。
ここからは、俳優としてのライアン・ゴズリングのさまざまな表情が楽しめる映画をご紹介します。
1.『ラースとその彼女(2007年)』
あらすじ
アメリカの田舎町に住む26歳の青年ラース(ライアン・ゴズリング)はピュアで心優しいのですが、極度にシャイなことから女性とうまくコミュニケーションを取ることができません。そんなある日、ラースは友人たちにインターネットで知り合った女性ビアンカを紹介しますが、なんと彼女はアダルトサイトで販売されているリアルドールだったのです。
この映画はラブコメディーとしても、またヒューマンドラマとしても楽しめます。ライアンは、母親の死に対する責任を感じて女性とうまく関わることができない青年ラースを叙情的に、時にはコメディーセンスたっぷりに演じました。映画が持つ牧歌的な雰囲気とは裏腹に、人を愛することについて真摯に考え抜かれた作品であり、街の人に支えられながらラースが愛をつかみ取ろうと奮闘する姿に涙を誘われます。第80回アカデミー賞脚本賞にノミネートされ、ストーリーテリングにおいても高い評価を得た作品です。
2.『ブルーバレンタイン(2010年)』
あらすじ
結婚して7年を迎えるディーン(ライアン・ゴズリング)とシンディ(ミシェル・ウィリアムズ)夫妻は娘と3人暮らし。看護師として働くシンディ、仕事が軌道に乗らないディーンは、お互いに不満を抱えたまま生活しています。しかし、同時に回想される若かりし2人の生活には、愛と希望があふれていました・・・。監督のデレク・シアンフランスが11年もの歳月をかけて書き上げた脚本。鬱々とした結婚生活を送る現在と深く愛し合っていた過去を交互に描いています。作中、ライアン・ゴズリングはイケメンであった青年時代から、頭がハゲあがり身なりも気にしなくなった中年時代までを演じています。
本作においては、性別によるディス・コミュニケーション(対人コミュニケーション不全)というのがひとつのテーマとされています。恋愛を経験した方なら1度は感じたことがあるでしょう、感性のすれ違い。同じ人間でありながら、女性と男性の感覚は全く違うのだ、ということをまざまざと見せつけられます。しかし言い換えれば、それを正しく理解することで異性に対してさらに優しくなれるのではないでしょうか。
3.『ラブ・アゲイン(2011年)』
あらすじ
仕事も家庭も順風満帆な中年男キャル(スティーヴ・カレル)が、妻エミリー(ジュリアン・ムーア)に突如として同僚のデイヴィッド(ケヴィン・ベーコン)との浮気を告げられ、離婚を申し出られたことから、大騒動へと発展していく物語。アメリカのコメディー界で大活躍しているスティーヴ・カレルが製作指揮と主演を兼任し、ジュリアン・ムーア、エマ・ストーン、ケヴィン・ベーコンと、超豪華俳優陣が集結した作品です。ライアン・ゴズリング演じるジェイコブ・パーマーは、主人公のキャルに女性の口説き方を指南する生粋のプレーボーイでしたが、キャルの娘ハンナ(エマ・ストーン)と出会ったことで、純粋に彼女を愛するようになるというキャラクター。恋愛のジレンマを巧みに表現した演技が評価され、第69回ゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)主演男優賞にノミネートされました。
エマ・ストーンとライアン・ゴズリングはその後も『L.A.ギャングストーリー(2013年)』、『ラ・ラ・ランド(2016年)』でも恋仲を演じ、息の合った演技を披露しています。
今なら間に合う!続編公開までに見直そう
ライアンの俳優としての魅力は役の幅広さにあると思います。シリアスからコメディー、ラブロマンスとさまざまなジャンルの映画に出演し、毎回全く違う表情を見せてくれます。そんな彼の魅力にあなたも必ず虜になるでしょう。『ブレードランナー』を見ていない方もライアン・ゴズリングを知らなかったという方も、遅くはありません!ぜひこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。