女性が憧れる胸キュンなシチュエーションといえば、壁ドンだそう。日本では数年前からブームになり、若者向けの邦画で多く見られました。しかし、いい歳をした男性でも胸がキュンとすることはあります。そこで今回は、海外ドラマ好きの男性である筆者が、胸キュンした海外ドラマのシーンを3つ紹介します。
※ややネタバレを含みますので、ご注意を!
1. 『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』 シーズン12#3 『ダッキーの帰郷』
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『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班(以下NCIS)』は、ワシントンD.C.を拠点に、アメリカ海軍に関する事件を扱う海軍犯罪捜査局を舞台にしたドラマです。8年連続、全米ドラマ視聴者数No.1、世界でも2年連続で最も視聴されたドラマに認定されるという実績を残した、まさにキング・オブ・ドラマで、L.A.とマイアミが舞台のスピンオフ2作品も放送中です。
『NCIS』の安定感の要因には、定期的に捜査官のキャラクターを入れ替えたり増員したりしていることが挙げられるでしょう。視聴者を飽きさせない工夫が盛り込まれているのですから、この人気もうなずけます。安定感を支えるのはもちろん、渋い中年の捜査官リロイ・ジェスロ・ギブス(マーク・ハーモン)ですが、ドラマ放送開始当初からのレギュラーである独身の老検視官ダッキー(デビッド・マッカラム)もそのひとり。死体と語り合いながら検視をするダッキーの姿は哲学者さながらです。
シリーズ12の第3話は、ダッキーが主役です。軍の機密文書を持ってNCISに向かっていた車へ対戦車砲が攻撃、運転者が焼死する事件が発生。車の持ち主は旧友アンガスでしたが、死体は別人でした。そこでダッキーはアンガスを探しに渡英し、昔愛していた女性マギーと約50年ぶりに再会します。ただ、その後アンガスは死体で発見されます。
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かつてダッキーとアンガス、マギーは仲のいい3人組でしたが、マギーはアンガスの妻になっていました(ただし結婚生活は破たん状態)。ダッキーは故郷を離れ、親友のアンガスは残った。それだけの違いでした。ダッキーは彼女に思慕を抱き続け、結婚をしませんでした。彼女に似た人も求めなかったし、巡り合っても独身を貫いてます。そして、ダッキーのトレードマークである蝶ネクタイは彼女の送別のプレゼントからつけ始めたのだということも分かります。
ダッキーは50年前に故郷を離れる際、「一緒に旅に来ないか」とマギーに告白しますが、アンガスが先んじていたこともありひと騒動。そのままジ・エンド。しかしマギーはむしろダッキーに引かれていたと分かります。事件が解決し、帰国する際に「もう少し長く君とここに立っていたい」と、ダッキーからマギーへの2度目の告白でこの話は締めくくられます。50年越しの思いが伝わる感動の場面でした。
『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』 はシーズン14がFOXチャンネルにて放送中(詳細はこちら)。
2.『刑事ナッシュ・ブリッジス』 シーズン4#24『さよならのキス』
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『刑事ナッシュ・ブリッジス』は、ロサンゼルス市警の話。事件と各キャラクターの日常がテンポよく交錯する、一話完結型ドラマです。
ナッシュ・ブリッジス(ドン・ジョンソン)は中年男性ですが、やんちゃなオヤジ風でかっこよく、黄色いオープンカー「クーダ」を仕事で乗り回します。去る者は追わずの彼は、2回も離婚を経験していて、キャシディ(ジョディ・リン・オキーフ)という可愛い娘もいます。当然女性にもモテますが、そんな彼がある女性を好きになります。それが、ケイトリン・クロス(ヤスミン・ブリース)。東欧風美女でスタイルも良く、バブル期を思い起こさせるさせるようなたたずまいです。
第4シーズンから登場する職場仲間で、最初は意見があわず衝突を繰り返すも次第に引かれあうようになります。と、ここまでは王道パターン。しかしシーズン4のラスト第78話では違いました。護送中の容疑者が脱走した事件を、すったもんだのあげく、無事に解決。その後、なんとナッシュが「愛してる」とケイトリンに告白します。ケイトリンにはボストンへの栄転話が来ていて、彼女の気持ちはそちらに傾いていたのですが、去る者は追わずのナッシュが自分の主義を曲げてしまうほど好きだと伝えるのです。ナッシュの肉親である娘キャシディや父親ニック(ジェームズ・ギャモン)への愛情に匹敵するものを感じるこの告白。大人の男のなりふり構わぬ思いが通じたのか、「飛行機に乗り遅れた」と彼女がナッシュのもとにやってくる場面は、良かったねと思えてしまうのでした。
『刑事ナッシュ・ブリッジス』の詳細はこちら。
3.『クローザー』 第4シーズン#15『二人の形』
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『クローザー』は、取り調べで容疑者から真実を話させる、つまり揺さぶり「落とす」捜査官の物語。一話完結のドラマで、第7シーズン計108話も続いたロングランシリーズです。人気の証として、スピンオフドラマの『Major Crimes ~重大犯罪課』を生み出しました。
主人公はキーラ・セジウィック演じるブレンダ・リー・ジョンソン。ロサンゼルス市警重大犯罪課のチーフで、性格のキツイ女性です。なかでも、仕事に対する執念はすごく、わがままで出世欲もあります。部下への要求も厳しく、長時間労働などおかまいなし。こんな人が上司ならたまったものではありませんが、でも、とてもキュートでセクシー。仕事机の引き出しはチョコレートでいっぱい、という可愛らしい一面もあります。プライベートではその昔、署長と不倫関係だったことも(なかば公然の秘密になっています)。
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そんなブレンダに彼氏がいるのは不思議ではありませんが、結婚にこぎ着ける男性がいるなんて・・・それがフリッツ(ジョン・テニー)です。この回は、ブレンダとフリッツの結婚式前後の話。フリッツは、なんて忍耐強い人なのでしょうか。それとも蜘蛛の巣にかかったハエなのでしょうか。彼もFBI捜査官として市警の事件にも絡みますが、案の定、仕事はブレンダのやりたいようにやられ、そして家庭でも同じです。式の当日、フリッツは2年間追ってきた大物犯罪者を逮捕できるチャンスが巡ってきて出勤することに。すると仕事好きなブレンダも連続しているデートクラブ強盗の捜査で出勤してしまうのでした。途中で周囲をハラハラさせるも、無事に結婚式までこぎつける2人。式が終わった後フリッツは怒るどころか「君は十分に受け止められる、僕も仕事も」と彼女を称えるのです。すごい!男としての器が大きいのか骨抜きなのか、きっと魅力あふれるブレンダだから許されるのでしょう。そして男性視聴者も、強気な彼女に翻弄されてしまうのです。
『クローザー』はシーズン7がFOXクラシックにて放送中(詳細はこちら)。
以上が、海外ドラマ好きの筆者が胸キュンしたエピソードです。あなたも海外ドラマを見て、胸キュンしてみてはいかがでしょうか。