リーアム・ニーソンをも魅了!記録的大ヒット作『オペレーション・クロマイト』レビュー

SAYA ギャルラッパー兼インタビュアー

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韓国で興行収入ランキング初登場第1位を記録し、700万人以上の観客を動員した大ヒット映画『オペレーション・クロマイト』。朝鮮戦争において当初不可能だと言われていた戦術、「クロマイト作戦(仁川上陸作戦)」を題材にした戦争アクション映画で、かの連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーと、彼の指揮の下、命懸けの潜入を決行した勇気ある兵士たちの実話を軸に描かれています。大変エモーショナルな内容で、有名ハリウッド俳優であるリーアム・ニーソンをも魅了した本作が、日本でも9月23日(土)に公開されます。
 

(c) 2016 TAEWON ENTERTAINMENT. All Rights Reserved
 

【作品概要】
1950年、南へと侵攻した北朝鮮はソウルを陥落させ、およそひと月で朝鮮半島の大部分を支配下に収めた。事態を重く見た連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー(リーアム・ニーソン)は、戦局を打開するため、周囲から「不可能だ」と猛反対を受けながらも仁川(インチョン)への上陸作戦を計画する。唯一の希望であり、作戦成功のカギを握るのは、北朝鮮軍に潜入した諜報部隊のチャン・ハスク大尉(イ・ジョンジェ)。正体がバレれば即座に処刑されることは間違いないという極限の状況下で、大尉と部隊の精鋭たちはマッカーサー率いる連合軍艦隊を仁川上陸へ導くため命懸けの作戦行動を開始する。

作品レビュー

不可能を可能にせよ!国連軍決死の上陸作戦

日本国内でも興行収入30億円を突破し、4週連続1位を飾った『私の頭の中の消しゴム(2004年)』を手がけたイ・ジェハン氏が監督・脚本を担当。チャン・ハスク大尉役にイ・ジョンジェ、連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサー役にリーアム・ニーソンなど、名だたる韓国俳優、アメリカ俳優が出演しています。
 

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日本の降伏後、北緯38度線を境に、北側をソ連、南側をアメリカが統治することとなった朝鮮半島。後に南に「大韓民国」、北に「朝鮮民主主義人民共和国」が成立しましたが、その2年後に北朝鮮軍が38度線全域にわたって不法に南側に侵攻し、ついにはソウルを脱落させてしまいました。国連安保理はこの事態を重く受け止め、韓国への軍事援助を決議。マッカーサーが総司令官を務める米軍中心の国連軍が出動し、マッカーサー指揮のもと、周囲から「不可能だ」と猛反対を受けながらも仁川(インチョン)への上陸作戦「仁川上陸作戦(オペレーション・クロマイト)」を遂行することになりました。
 

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「ただの戦争映画ではない」理由。リーアムをも魅了したシナリオ

残虐でグロテスクな描写が苦手、という理由で戦争映画を嫌う方も多いとは思いますが、本作は上陸後の戦闘シーンに重点を置くのではなく、むしろ「仁川上陸」といった目標に焦点を当てている印象。上陸するまでの過程で巻き起こる奮闘や葛藤が濃く描かれており、とても考えさせられる内容となっています。戦争映画でありながらスパイ映画的な要素も強く、スリリングな展開に引き込まれます。
 

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マッカーサー役を務めるリーアム・ニーソンといえば、代表作にスティーヴン・スピルバーグ監督の超大作『シンドラーのリスト』があり、同作でアカデミー主演男優賞にノミネートされた経歴を持つ実力派。ここ数年だと『96時間(2008年)』シリーズ、『CHLOE/クロエ(2009年)』、『アンノウン(2011年)』、『フライト・ゲーム(2014年)』などに出演しており、私も彼の多くの作品を見てきましたが、今回のリーアムも抜群の演技力でシリアスな役どころを演じてくれています。

2010年にはリンカーンを題材にしたスピルバーグの作品に出演が決定していましたが、「58歳の自分が56歳で亡くなったリンカーンを演じるのはふさわしくない」と降板したリーアム。しかし役作りに関して強いこだわりを持つそんな彼が今回、エモーショナルなシナリオに感動し、破格のギャラでマッカーサー役を快諾。それだけに演技にも熱が入り、涙無しには見られない作品となっています。
 

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立場も国籍も違う2人をつないだ「信念」に惚れる!

実話に基づいているからこそのリアルなストーリーに、ど迫力な戦闘シーン。非常に考えさせられる映画となっており、筆者は続けて2回見てしまいました。

母国のピンチではないにも関わらず、周囲からの反対も押し切って壮絶な戦いの指揮を取ったマッカーサー。そして彼の指示に忠実に従い、部下と共に闘い続けた諜報部隊のチャン・ハスク大尉。顔を合わせることすらなく、国籍も違えど、同じ目標に向かって任務を遂行し続けた2人。彼らの間には熱い絆と、ブレることのない固い信念を感じます。
 

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ただ激しいだけのアクション映画や残忍な戦争映画が苦手な方にもオススメできるこの作品。洋画好きの方も韓流好きの方も、ぜひ一度ご覧になってはいかがでしょうか。

予告編映像


Klockworx VOD公式YouTubeチャンネルより

【キャスト】
イ・ジョンジェ『暗殺』『新しき世界』
イ・ボムス『ビューティー・インサイド』
リーアム・ニーソン『96時間』
チン・セヨン『愛の言葉』
チョン・ジュノ『悲しみよりもっと悲しい物語』
パク・チョルミン『パイレーツ』
パク・ソンウン『華麗なるリベンジ』
ジョン・グライス『96時間』
秋山成勲

【スタッフ】
監督:イ・ジェハン『戦火の中へ』『私の頭の中の消しゴム』
脚本:イ・ジェハン、イ・マニ『サヨナライツカ』
製作:チョン・テウォン『誰にでも秘密がある』
撮影:パク・ジャンヒョク『第3の愛』
音楽:イ・ドンジュン『戦火の中へ』
編集:スティーヴ・M・チョー『スノーピアサー』

2016/韓国/カラー/シネスコ/デジタル上映/ドルビーSRD/110分
原題:인천상륙작전(英題:OPERATION CHROMITE)
配給:クロックワークス

 
2017年9月23日(土)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか順次公開!公式サイトはこちら
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