ライアンはもともといなかった?『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』の裏話

ベストセラー作家のリック・キャッスル(ネイサン・フィリオン)が、自分の小説を模倣した殺人事件をきっかけに出会ったニューヨーク市警の刑事ケイト・ベケット(スタナ・カティック)と共に難事件に挑むドラマ『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』。キャッスルは毎度小説のネタ探しも込みで捜査に同行、ミステリー作家ならではの視点から事件を推理し、ベケット刑事と息の合ったコンビネーションで事件を解決していきます。
 

(c)ABC Studios.
 
初めはキャッスルに反感を抱いていたベケットですが、ストーリーが進むうちに彼への好感度が上昇。にもかかわらず2人はすれ違いを続け、なかなか恋愛関係には発展しません。彼らの煮え切らない関係にはヤキモキさせられますが、1話完結型で、全体的にコミカルな作品なので、「よし、見るぞ!」とかまえなくても見ることができる癒し系の作品です。

今回はそんな『キャッスル ~ミステリーは作家は事件がお好き~』の魅力を、作品の裏話に触れながらお伝えします!

1.ライアンはもともといなかった


ジョン・ウエルタス公式アカウント(@Jon_Huertas)より
 
キャッスルとベケットのわきを固める重要なキャラクターといえば、ニューヨーク市警の刑事、ケヴィン・ライアン(シーマス・ディーヴァー)とハヴィエル・エスポジート(ジョン・ウエルタス)。ふざけている時も真面目な時も名コンビっぷりを発揮する2人ですが、『キャッスル』の企画が進み始めた当初は、ライアンというキャラクターはいませんでした。
 


シーマス・ディーヴァー公式アカウント(@seamusdever)より
 
『キャッスル』のパイロット版(シリーズ放送前に試験的に製作される映像作品のこと)の収録後、エスポジートのパートナーが検討されたのですが、うまくマッチする人がいませんでした。この時、誰かから「アイルランド系の警官はどうですか?」という提案が出たそうです。ライアンはそんな何気ない一言から誕生したキャラクター。ライアン役を務めるシーマス・ディーヴァーは、「その話を聞いたとき、私はそれに乗って、役に入るための全てのことをしました」と後にインタビューで答えています。
 


シーマス・ディーヴァー公式アカウント(@seamusdever)より

2.ライアンとジェニーは実生活でも夫婦


シーマス・ディーヴァー公式アカウント(@seamusdever)より
 
シーズン2からのライアンの恋人として会話の中に名前が登場し、シーズン3で本人が登場、シーズン4で結婚し妻となったジェニー(ジュリアナ・ディーヴァー)。作中でもいつもラブラブなカップルですが、ジェニー役のジュリアナ・ディーヴァーとライアン役のシーマス・ディーヴァーはプライベートでも本物の夫婦なんです。
 


シーマス・ディーヴァー公式アカウント(@seamusdever)より
 
2人のSNSには幸せそうな写真が盛りだくさんで、見ているこっちまで幸せになれます。シーマスの出演したラジオでは、シーズン4でのライアンとジェーンの結婚式を実際のシーマスとジュリアナの結婚式と比較して語るという場面もあり、奥さんとの共演を心から楽しんでいるようです。

3.ライアンとエスポジートは音楽ユニットも結成

シーズン7でエスポジートとライアンが、キャッスルとベケットの結婚式のために「Definition of Love」という曲を書きました。こちらはシーズン7のDVD特典であるミュージックビデオとして収録されています。この曲をきっかけに、エスポジート役のジョン・ウエルタスとライアン役のシーマス・ディーヴァーの2人は「Shay-Jean」というユニットを組み、音楽活動を開始したのです。最近もSNSで新曲製作を思わせるような発言があり、今後の活躍も期待できそうです。
 


Shay-Jean公式アカウント(@shayjeanmusic)より
 
またエスポジート役のジョン・ウエルタスは個人でも音楽活動をしています。ミュージックビデオにはライアン役のシーマス・ディーヴァーと共演した短編映画の映像が使用されていたり、キャッスル役のネイサン・フィリオンが出演していたりと、キャッスルファンを喜ばせるような演出も。シーズン5の第7話「死のスワン・ソング(原題/Swan Song)」でエスポジートが見せた歌唱力の高さに、放送後「驚いた」とSNSでつぶやいている人も多かったようですが、アーティストなので当然の結果といえるでしょう。
 


ジョン・ウエルタス公式アカウント(@Jon_Huertas)より
『キャッスル』をモチーフにした楽曲も出しているようです。

4.キャッスルが書いている小説も出版されている

作中でキャッスルがベケットをモデルにして執筆した作品『ニッキー・ヒート』シリーズと、ヒートの前作にあたるシリーズ『デリック・ストーム』は、実際にリチャード・キャッスル名義でアメリカにて出版されています。しかもベストセラーにまでなっているそうですから、作品の世界そのままですね。『ニッキー・ヒート』シリーズは9巻まで発売され、ニッキー・ヒートとストームの共演も描かれています。日本でも『ニッキー・ヒート』シリーズの『長い酷暑』と『裸のヒート』2冊が翻訳されて出版されましたが、現在は入手困難な状態です。
 


キャッスル公式アカウント(@Castle_ABC)より

5.豪華なゲスト陣も魅力

ジャック・コールマンやエイドリアン・パスダーなど、毎話のゲスト陣も見逃せないポイントです。特に話題になったのがダナ・デラニー。キャッスル役のネイサン・フィリオンとは、同系列局の大ヒットドラマで夫婦役を演じていることで評判になりました。ダナ・デラニーがFBI捜査官として出演したシーズン2の 第17話「ニッキー・ヒートに捧げる: パート1(原題/Tick, Tick, Tick…)」、第18話「ニッキー・ヒートに捧げる: パート2(原題/Boom!)」は番組史上最高の視聴者数を記録しています。

まとめ

1話完結型のコミカルタッチで事件の捜査が描かれる『キャッスル』は、キャッスルと娘のアレクシス(モリー・C・クイン)の温かい親子関係や、仲間とのかけあいなど、見ていると元気になるポイントが多数。当然ミステリーの部分も楽しめますから、とりあえず何か面白いドラマが見たいなぁ、なんて人にはぜひおすすめしたい作品です!

『キャッスル ~ミステリー作家は事件がお好き』は現在シーズン8をFOXチャンネルにて、毎週金曜よる10時から放送中(詳細はこちら)。