© Universal Pictures
10月21日(土)に公開されるトム・クルーズ主演の『バリー・シール/アメリカをはめた男』。一足先に鑑賞してきた筆者がその魅力をお伝えします。
あらすじ
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民間航空会社のパイロット、バリ―・シール。最年少でパイロットになるなどその操縦テクニックは天才的で、CIAから偵察機のパイロットとしてスカウトされます。そして、その極秘作戦中に後の麻薬王パブロ・エスコバルと接触し、麻薬の運び屋を請け負うことになるのです。それによって落ちぶれるかと思えばそうはならず、CIAはバリーが麻薬の運び屋をしていることを黙認。バリーはCIAエージェントと麻薬の運び屋という二足のわらじを履いて、活動することになります。どちらも完璧にやり遂げ大金を稼ぐバリーでしたが、綱渡りのようなやり方はいつまでも続かず、やがてさらに大変な事態となっていく・・・という、運び屋アクションストーリー。
詳しい内容はネタバレになってしまうので明らかにできませんが、バリ―・シールという人物のぶっ飛んだ魅力を詰め込んだ映画と言えます。男なら思わず憧れてしまう、女性なら心を奪われかねない、そんなバリーのカッコよさを劇中のエピソードとともに紹介していきます。
魅力1. 実在した人物だということ
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映画にはカッコいい男を主人公にした作品が数多くあります。例えば、殺し屋としての記憶を失い、昔の雇い主である組織と孤独な戦いを強いられる男。巨大軍事企業の社長で、ゲリラに拉致され運ばれた洞窟で鉄のスーツを作って抵抗した男。数をあげればキリがありませんし、本作の主演を務めるトム・クルーズも言うに及ばず、これまで数々のシビれるほどカッコ良い男を演じてきました。しかし、映画史に数限りなく存在するそんな人々はほとんどがフィクション、架空の人物です。
その点、本作の主人公バリ―・シールは、なんと実在した人物。しかも映画に描かれているバリーの身に起きた出来事は、現実の事件とは思えないほどスケールが大きいことばかりです。民間機のパイロットがCIAのエージェントになったというだけでもセンセーショナルなのに、それを麻薬の運び屋と両立させ、それだけにとどまらず、バリーはさらにとんでもないところから仕事を請け負うことになります。史実にそって制作された映画と聞くと、フィクション作品に比べてスケールが小さいのでは?と考えてしてしまいがちですが、ひとたび彼の活躍を目撃すればそんなイメージはすぐに崩れ去るはずです。
魅力2. おバカっぽく見えて、実は仕事のできる男
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バリ―・シールは麻薬の密輸に手を染めた人物ですが、劇中で描かれるバリーは決して悪人には見えません。とにかく前向きで何事にも臆することのない、明るい性格だからです。悪く言ってしまえば、ちょっとおバカそうな男(ただし仕事の腕前は文句なしの超一流)。
バリーの明るい性格と、劇中に挿入される陽気な音楽のおかげで、物語がバリーにとって良くない方向に進んでも決して暗い雰囲気にはなりません。バリーは陽気なテンションのまま、困難をものともせず乗り越えていくのです。普通の人間だったら悩んで精神的にどん底に落ちるはずの場面でも、バリーは些細なトラブルくらいの感覚で柔軟に解決してしまいます。
身の回りで、仕事や勉強にそれほど熱心に打ち込んでいるようには見えないのに、良い結果を残す人がいませんか?バリーはまさにそんな天才肌。家族との関係、CIAの仕事、麻薬の運び屋、その全てを器用にこなすのです。
魅力3. 金!ドラッグ!だけどポップ
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金!ドラッグ!ときたら、セオリー通りに続くのは「女」か「酒」。ですがバリーはそのどちらにも溺れることはありません。決して自分というものを見失わないのです。前述のとおりバリーは明るい性格で、劇中の音楽も陽気。ほかのキャラクターの言動もどこかコメディーのようなポップさがあるので、事態が大きくなっても見ていてネガティブな印象を抱くことはありません。
コミカルな演出はそれだけにとどまりません。バリーが操縦する飛行機が麻薬取り締まり局の飛行機に追いかけられるシーンでは、「高速機を使っているのがあだになる」と、まるでトム・クルーズの代表作である『トップガン』を揶揄するかのようなセリフが飛び出し、映画好きの方はニヤニヤしてしまうでしょう。ほかにも、バリーが公衆電話を複数台同時に使ってせかせかと電話をするシーン。自分が運転している車に爆弾が設置してあるのではないかと警戒して、周囲の人間に注意を呼び掛けるシーンなど、剣呑な話でも肩がこらないように楽しませてくれる演出がいたる所に散りばめられています。
そんな演出があるからこそ「麻薬の運び屋=悪」というイメージに染まることなく、バリーというどこかひょうきんなキャラクターが成立したのではないでしょうか。
最後に
いかがだったでしょうか。トム・クルーズ演じるバリ―・シールのカッコよさを大画面で味わいたくなった方は、ぜひ劇場でご覧になってください。とても史実に基づいたストーリーとは思えない、大胆かつユーモラスな活躍劇にご期待あれ!
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ところで、これまでお伝えしてきたようにバリー・シールはかなりぶっ飛んだ人物ですが、日本にもぶっ飛んだ人物はいます。「笑うメディアクレイジー」では独自に「今が旬のぶっ飛んだやつランキング」なるものを作ったそうで、バリー・シールに次ぐぶっ飛んだ人物としてある2人を起用し、こんなポスターを作ってしまいました。
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ご存じの方もいることでしょう。リーマンショックにより資産の大半を失い、それ以降はほぼ株主優待で生活している人物で、日本テレビ系『月曜から夜ふかし』でおなじみの桐谷さん。そして、TBS系『クレイジージャーニー』などで世界各地の危険地帯を取材している丸山ゴンザレスさん。
もしかしたら、いつかバリ―・シールのように映画化されるかもしれないぶっ飛んだこの2人が、今回の映画について対談を行っています。映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』を見に行く前に、こちらもぜひご覧になってください。