ハリウッド騒然!大物プロデューサーのセクハラスキャンダルが明るみに

JALEE編集部

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 次は誰が名乗り出るのか?10月5日(現地時間)、「The New York Times」が映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインのセクハラについて暴露してからというもの、事態は雪だるま式に大きくなってきている。1時間ごとに新情報が出てきて、業界関係者は、この話題に踊らされまくっている状態だ。

 これまでに彼の被害に遭ったことを告白したセレブには、アシュレイ・ジャッド、グウィネス・パルトロウ、アンジェリーナ・ジョリー、ロザンナ・アークエット、ヘザー・グラハム、ケイト・ベッキンセールなどがいる。ワインスタインが狙うのは、20代前半かそれより若い女性で、前述の女優たちにとっては20年ほど前の出来事だが、現在25歳のカーラ・デルヴィーニュ、32歳のレア・セドゥも名乗り出ていることを見ると、最近も続けていたのは明らか。相手は女優やモデルだけではなく会社のスタッフもおり、10日に出た「New Yorker」誌の報道によると、レイプの被害に遭った女性も3人いるという。
 


The New York Times公式Instagram(@nytimes)より
「The New York Times」紙で立ち上がったグィネス・パルトロウ
 
 20年以上もの間、世間にばれなかったのは、ワインスタインが業界で大きなパワーをもつプロデューサーだからだ。2013年のゴールデングローブ授賞式で、主演女優賞に輝いたメリル・ストリープが受賞スピーチで「ハーベイ・ワインスタイン、あなたは神様」と彼に感謝したように、ハリウッドには、彼にキャリア上の恩がある人が多数いる。『クライング・ゲーム』(1992年)、『パルプ・フィクション』(1994年)、『恋におちたシェイクスピア』(1998年)、『英国王のスピーチ』(2010年)、『アーティスト』(2011年)など、良質で独創性に満ちた映画を次々に配給しては、賞も興行成績も稼いだワインスタインは、映画の趣味が良く、マーケティング能力にたけ、新しい才能を発掘する目を持っている。グウィネス・パルトロウをスターにしたのも彼で、駆け出しの女優ならば、「彼が次の映画のことで会いたがっている」と言えば、夢心地で出掛けていくだろう。そこに罠があったと分かっても、自分のキャリアがつぶされることを恐れて、苦情を言うことができなかったのである。

  彼が創設したミラマックスと、そこを離れた後に作ったザ・ワインスタイン・カンパニーの社員も同じだ。ボスが別の女性にセクハラをするのが分かっていても、抗議すれば自分がクビを切られるだけ。彼らは、罪悪感を覚えつつも、次の獲物を罠にかける手伝いもした。若い女優をミーティングに呼ぶ時、彼女が安心するよう、女性のキャスティングディレクターと女性社員も同席すると言っておきながら、実際に女優が到着すると女性たちは席をはずし、ワインスタインと2人きりになるようにするという手が、何度か使われている。

 ワインスタインは8日、役員たちによって自分の会社をクビにされたが、今後、被害者たちが、彼と会社に対して民事裁判を起こす可能性は十分ある。さらに、ニューヨーク警察とロンドン警察(被害者は、ワインスタインのロンドン支社にもいる)が、刑事事件として捜査に動き始めた。メリル・ストリープの“神”は、果たしてどこまで落ちていくのだろうか。

 

猿渡由紀/L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、日本のメディアに寄稿。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。