From NY:女性初のアメリカ大統領に!?オプラ・ウィンフリーが愛される理由

アカデミー賞の前哨戦とも言われる、ゴールデン・グローブ賞。1月7日(現地時間)に開催された第75回授賞式賞では、セクハラが蔓延するハリウッドの現状に抗議をしようという「Time’s Up キャンペーン」の下、授賞式には黒い服に身を包んで出席をという呼びかけで、数多くの俳優たちが黒ずくめで出席し話題を集めました。そして、黒い衣装と同じぐらい話題になったのが、功労賞にあたるセシル・B・デミル賞を黒人女性として初めて受賞した、オプラ・ウィンフリーの受賞スピーチ。計3回スタンディング・オベーションを受けたスピーチの中で、アメリカに生きる黒人女性として、報道の自由と男女平等について語りかけました。

 

NBC公式YouTubeより:第75回ゴールデン・グローブ賞でのオプラの受賞スピーチ
 
アメリカでは子供の絵本にもなるぐらい有名で、子供から大人まで誰もが知っている存在のオプラ・ウィンフリーですが、日本では女優として、司会者として海外エンタメ好きの人には知られているものの、そこまで知名度が高くありません。日本ではあまり知られていない彼女の生い立ちですが、オプラは私たちには想像もできない過酷な幼少期を過ごしていました。

 

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1954年にミシシッピー州で生まれたオプラ。シングルマザーの下で育てられた彼女は、今回のスピーチの中でも語っていますが、貧しい家庭に育ち、母親が掃除婦として朝から晩まで働いている姿を見ながら育ったそうです。彼女は9歳の時、母親の留守中に面倒を見てくれていた従兄弟から性的暴行を受け、以来4~5年に渡り従兄弟をはじめとする親戚などから性的暴行を受けていたと言います。そんな劣悪な環境の中で育った彼女は問題児として扱われ、14歳の時に妊娠するも子供は死産し、オプラの扱いに困った母親は、父親の下に彼女を送ります。父親と過ごした高校時代は、人気者となり演劇部やスピーチ部で活躍。大学が主催したスピーチ・コンテストで優勝して、奨学金をもらいテネシー州立大学へ進みます。大学では、スピーチ・コミュニケーションとパフォーミング・アートを専攻。在学中は大学のラジオ局で働きながら勉強を続け、ミス・テネシーに選ばれるなど当時から人前に出ることは好きだったそうです。卒業後、ローカルテレビ局に就職しアナウンサーとして黒人女性では、はじめてニュース番組とトーク番組を担当。トーク番組での司会ぶりが他の州でも話題になり、1984年にはシカゴのローカル局の朝番組を任されることになります。そこで人気に火がつき、1985年には『オプラ・ウィンフリー・ショー』として自らの名前を冠した1時間のトーク番組を任されることに。その際に制作会社を立ち上げ、社長としてその番組の制作に関わります。その1年後には全米放送され、トーク番組としてはNo.1の視聴率を誇る人気番組に成長して、全米中にオプラ・ウィンフリーの名前が知られるようになりました。

 

I can hardly wait for y’all to see it.

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オプラ・ウィンフリー公式Instagram(@oprah)より

 
『オプラ・ウィンフリー・ショー』では、自分が幼少時代に体験した性的暴行に関しての話題や、当時タブーと言われていたLGBTについて、自身の恋愛問題などに関しても赤裸々に告白。視聴者とともに語り合い、考える姿勢が全米中で支持され人気は不動のものに。この番組でオプラは、エミー賞をはじめ数多くの賞を受賞します。1998年にはタイム誌が発表した「20世紀最高のテレビシリーズ」に選ばれた他、2002年の「古今、もっとも素晴らしいアメリカのテレビ番組トップ50」にも選ばれています。そして約25年に渡り放送されてきた『オプラ・ウィンフリー・ショー』は、2011年5月に放送を終了。同年にOWNというオプラ自身の放送局を開局し、そのチャンネルの中で黒人の歴史に関わるドラマや現代アメリカ社会における様々な問題をエンターテインメントの視点から取り上げ、放送しています。

 
名司会者という言葉が一番しっくりくるオプラですが、スティーヴン・スピルバーグが監督した、映画『カラーパープル』(1985年製作) でアカデミー助演女優賞にノミネートされた他、数々の映画やテレビドラマに女優としても出演しています。経済誌『フォーブス』によると20世紀のアフリカ系アメリカ人の中では、1番の資産家と言われ、2010年には、「エンターテインメント業界でもっとも稼いだ人物」の1位に輝き、当時総資産が約258億3000万円あったと言われています。そんな彼女、慈善家としても知られており、今までチャリティに寄付をした総資産は、250億円とも言われているんです。

 
貧困と虐待に苦しんだ幼少期を経て、自分の才能と努力だけで大成した正にアメリカン・ドリームな人物。大物になっても様々な問題に耳を傾け、独自のフィルターを通して彼女自身の思いを発信しているオプラは、一人の女性として本当に憧れる存在です。オバマ前大統領を早い時期から支持し、オバマブームを生み出した立役者としても知られている彼女。現在アメリカでは、次の大統領選に出馬するのではと囁かれています。メディアを理解し、経営者としても優秀、コニュニケーション能力に長けていて、人の話を聴く事が上手。そしてそれを誰もが分かるように語りかけ、人を惹きつける力が抜群にある彼女なら、女性初の大統領に選ばれても不思議ではないし、ぜひ見てみたいなと密かに期待しながら、今後の動向に注目しています。

 

Kay/NY在住TVコーディネーター&プロデューサー

日本のFOXチャンネルで約7年に渡りエンタメ情報番組のプロデューサーを経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。アメリカのエンタメと美味しい食べ物をこよなく愛し、NYの最新情報を収集・探検する毎日を送っている。