From LA:常に時代を先取りするモデル・オーディション番組、アメネクの最新シーズンが日本放送決定!

「アメリカズ・ネクスト・トップモデル(ANTM/アメネク)」にタイラ・バンクスが戻ってきた。第24シーズンとなる今回は、“モデル”という言葉自体に拒否反応を示しがちなフェミニストたちをも感心させる要素がいくつか含まれている。ひとつは、年齢制限がなくなったこと。今回の15人の候補者で一番若い女性は20歳、一番上は42歳だ。30代もふたりいる。さらに、プラスサイズのモデルも3人。アメリカのモデルにしては背が高くない身長170cmの候補者も4人だ。髪の毛がほとんどない脱毛症の女性が登場するのも興味深いところである。

 

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今シーズンのモデル候補14人の写真。最年長42歳はサプライズで別途登場する。

 
番組が放映スタートしたのは、2003年。15年続くこのシリーズは、ファッション関係のリアリティ番組では最長寿だ。だが、世間の女性たちがますます強くなり、思うことを堂々と発言するようになるにつれて、単純に、若さや、一定の基準で美しさを定義することに対する批判も強まってきた。それを受けて、モデルに求められるものも変わってきている。ケイト・モスの全盛期には、彼女のように少年っぽいスキニーさが求められ、もとから細いモデルたちが極端な食事制限をしては健康を害したりしたものだが、今では細すぎるモデルは仕事にありつけないこともあるのだ。昨年、フランスでは、痩せすぎのモデルを雇うことを違法とする法律が通過したのである。この新しい法律のもとでは、身長が175cmならば、最低55kgはないと、フランスで仕事をもらえない。
フランスのファッション界の超大手LVMHとケリングは、昨年のニューヨークファッションウィークでさらに厳しい基準をもうけ、フランスサイズで34、アメリカサイズで0から2、つまり日本サイズで5号(XS)よりも細いモデルは使わないと宣言した。この2社が抱えるブランドには、グッチ、クリスチャン・ディオール、ルイ・ヴィトン、ステラ・マッカートニー、マーク・ジェイコブスなどがある。フランスの法律はフランス国内に限定したものだったが、この二社は、世界規模まで広げたわけだ。

 

Introducing the second 2016 #SISwim cover model @theashleygraham! 👙🌴

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Sports Illustrated Swimsuit公式Instagram(@si_swimsuit)より
2016年にプラスサイズモデルとして初めて『スポーツ・イラストレイテッド』水着特集号の表紙を飾ったアシュリー・グラハムは、今シーズンでも審査員を務めている

 
今シーズン、再び「ANTM」のホストに復帰するタイラ・バンクスは、以前からフェミニストを自称してきた人。第21シーズンが始まる時のインタビューでも、バンクスは、「私は、モデルのキャリアでフェミニストを貫いてきた。どんな肌の色をしていても、女性は美しくありえるのだということを、私は伝えてきたつもりよ」と語っている。そのメッセージは、ゆっくりでも、確実に伝わっていったということだろう。最近では、男性誌「Sports Illustrated」までもが、毎年恒例の水着特集号で、プラスサイズのモデルを起用したほど。その表紙モデルを務めたアシュリー・グラハムは、本番組の審査員を務めている。
女性の魅力にはいろいろあるというのは、周囲を見渡せばわかること。モデルにだけ非現実的な定義を求める時代は、もう終わった。「ANTM」の新シーズンは、そんな時流を反映したものだと言える。誰が選ばれるにしても、未来のトップモデルとなる人を、今から応援してあげよう。

 
アメリカズ・ネクスト・トップ・モデル シーズン24は、FOXチャンネルで2018年初夏に放送スタート予定です!お楽しみに!
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猿渡由紀/L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、日本のメディアに寄稿。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。