シーズン1放送から20年経った今も愛され続けているドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」。その人気はニューヨークでも未だに根強く、街を歩くと、ここは「セックス・アンド・ザ・シティ」の撮影に使われたお店だとかレストランだ、なんてことをよく耳にする。実際に主人公のキャリーを演じた、サラ・ジェシカ・パーカーとミランダを演じたシンシア・ニクソンは、現在もニューヨークに住んでいる。特にシンシアは、生まれも育ちもニューヨークの生粋なニューヨーカーである。
シンシア・ニクソン公式Instagram(@cynthiaenixon)より
NY州知事選に出馬表明したシンシアのビデオメッセージ
シンシアのNY州知事出馬に、SATC仲間からの熱い声援!
そんな彼女が今年10月に行われるニューヨーク州知事選への出馬を表明し話題になっている。「ウィメンズ・マーチ」など抗議デモへの参加をはじめ、LGBTQに焦点を当てた人権活動に積極的なことから、以前より政界進出が噂されていた。しかし、昨年はブロードウェイ「子狐たち」に出演してトニー賞演劇助演女優賞に輝くなど、女優としての活動も忙しい今、出馬表明するとは思っていなかった。今回の出馬表明にファンたちはSNSで「ミランダがやりそうなことね」「シンシア・ニクソンがミランダを演じていたのかしら?それともずっとミランダだったのかしら?」などとコメントをしている。
また、公私ともに仲の良いサラ・ジェシカ・パーカーもインスタグラムに「私の愛とサポートと投票はあなたのものよ」と投稿し、シャーロット役のクリスティン・デイヴィスも「彼女以上に全ての人が公平な変化と良い教育を受けられるようにと考えている人はいない」とツイートしている。
サラ・ジェシカ・パーカー公式Instagram(@sarahjessicaparker)より
NYで生まれ育ち、今もNYに住むシンシアが叶えたい想いとは?
シンシアが出馬を決めた理由としては、自分がどこよりも愛するニューヨークが、この国において最も貧富の差の激しい不平等な州になっており、「変化が必要だ」と語っている。また課題として、医療制度の見直しや地下鉄の補修についても言及している。ニューヨークの地下鉄は老朽化がかなり進んでいて、しょっちゅう遅れたり、止まったりする。毎日、地下鉄を利用する私としては、地下鉄の問題に取り組んでくれるのは非常にありがたい。
シンシアは、今年9月に開催される民主党の予備選にて、現ニューヨーク州知事で、3期目の当選を目指すアンドリュー・クオモ知事に挑むことになる。ニューヨークのシエナ大学が行った世論調査によると、現段階で民主党支持者の間では、66%がクオモ州知事、19%がシンシアを支持しているんだとか。しかし女優で演説も上手な彼女、これからメディアやスターパワーを上手に利用して支持率を上げてくのではないだろうか。今回の州知事選で彼女が当選すると、初の女性、そして同性愛者を公言している初のニューヨーク知事となる。「セックス・アンド・ザ・シティ」から20年。あのドラマを通じてニューヨークが更に好きになり、縁もあって住むことになったニューヨークの市長がミランダになるかも知れないなんて、ファンとしてはちょっと嬉しい。普段、政治にあまり興味のない私だが、9月の予備選まで彼女の動向を見守っていきたい。

Kay/NY在住TVコーディネーター&プロデューサー
日本のFOXチャンネルで約7年に渡りエンタメ情報番組のプロデューサーを経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。アメリカのエンタメと美味しい食べ物をこよなく愛し、NYの最新情報を収集・探検する毎日を送っている。