From LA:単なるリメイクには飽きた!?性別変更で生まれ変わるハリウッド映画

リメイク、リブートというコンセプトは、もう使い古されている。でも、オリジナルで男だったキャラクターを女性にするなら、新鮮なのでは?単にそういう発想か、ハリウッド映画が圧倒的に男中心であることへの批判回避のつもりもあるのか、過去の映画を登場人物の性別を入れ替えて作り直すケースが、最近増えている。

大ヒット映画の主人公を、性別を変えて豪華キャストでリメイクがブーム!?

その走りと言えるのは、ポール・フェイグが監督した2016年の「ゴーストバスターズ」。80年代にビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・スミス主演で大ヒットしたホラーコメディをリメイクする話を持ちかけられたものの、いまひとつピンとこなかったフェイグが、「今、最もファニーな4人の女性たちにやらせてみたらどうか」と思いついたのがきっかけだ。この「4人のファニーな女性たち」に選ばれたのは、メリッサ・マッカーシー、ケイト・マッキノン、クリステン・ウィグ、レスリー・ジョーンズ。興行成績も批評もまずまずだったが、公開前には保守派の男たちからソーシャルメディアに意地悪なコメントを書かれたり、キャストで唯一の黒人であるジョーンズが個人攻撃されたりなど、嫌な思いもさせられた。

 

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「ゴーストバスターズ」公式Instagram(@ghostbusters)より
2016年版は主人公が4人の女性に生まれ変わった

 
6月には、「オーシャンズ11」(写真一番上)を女性でリブートする「オーシャンズ8」が北米公開予定(日本公開は8月10日予定)。オリジナルにはジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモンらが出演したが、リブート版のキャストもケイト・ブランシェット、サンドラ・ブロック、アン・ハサウェイ、ダコタ・ファニングなど超豪華だ。60年代のマーロン・ブランドとデビッド・ニーヴン主演作「寝室ものがたり」は、80年代にスティーブ・マーティンとマイケル・ケインで「ペテン師と詐欺師/だまされてリビエラ」としてリメイクされたが、今度はこのコンビを女性にする企画が進んでいる。タイトルは「The Hustle」で、主役はアン・ハサウェイとレベル・ウィルソン。北米公開は2019年6月の予定だ。

 

性別だけでなく、人種も変えてタラジ・P・ヘンソンが名作コメディをリメイク!

他にもメル・ギブソン演じる主人公が、突然女性たちが心で思っていることを聞けるようになるロマンチックコメディ「ハート・オブ・ウーマン」(原題『What Women Want』)も、「What Men Want」として進行中。主演とプロデューサーを兼ねるのは映画「ドリーム」やドラマ「Empire 成功の代償」のタラジ・P・ヘンソンで、男性役も含め黒人中心になっているところも新しい。また、トム・ハンクスがマーメイド(ダリル・ハンナ)に恋をする「スプラッシュ」は、チャニング・テイタムが男のマーメイドとジリアン・ベル演じる人間女性でリメイク予定。今月北米公開の「Overboard」も、1987年の「潮風のいたずら」のゴールディ・ホーンとカート・ラッセルの役を入れ替えたバージョンだ。

 


タラジ・P・ヘンソン公式Instagram(@tarajiphenson)より
「What Men Want」で主演&プロデューサーを務めるタラジは、久しぶりのコメディ映画に御満悦

 
これだけ続くと、しまいにはこのアイデアも使い古された感になるのではという気もしなくはないが(とくに、ふたつ続くハサウェイは、この手の企画はもう要注意かも)、結局は作品の出来次第だろう。コンセプトがどうだったかということを忘れさせてくれるくらい面白い映画になれば、あといくつ作られようが、映画ファンは大歓迎だ。

 

猿渡由紀/L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、日本のメディアに寄稿。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。