From LA:カニエ・ウエストが今度はインタビュー発言で炎上中!

お騒がせを売りにしてきたカニエ・ウエストが、最近、またもやメディアを賑わせている。だが、今度のケースは、あまりにも強烈。話題作りの域を超えた彼の発言は、多くのファンを怒らせ、キャリアの運命も左右しかねない感じだ。

 

世界中の黒人を敵に回しかねない発言で、メディアもカニエをボイコット!

問題のコメントが出たのは、今月初めに彼が出演したネット番組「TMZ Live」。ゴシップサイトtmz.comのニュースルームから中継されるこのインタビューで、ウエストはほぼノンストップでしゃべりまくり、途中「黒人が400年も奴隷だったのは自分たちが選んでやったことだ」と述べたのである。さすがにこれにはインタビュアーもびっくりし、そのままどんどん話を続けるウエストを制止して「ちょっと待ってください。今、あなたが言ったことを確認したいのですが」と話題に戻したのだが、ウエストは再び同じことを言った。
さらに、トランプ大統領の件。セレブにしては珍しくトランプと仲良しであるウエスト(写真一番上)が、最近もトランプに“Make America Great Again”とサインをしてもらった野球帽を見せびらかせていたことについて、インタビュアーは、「そうすることであなたは発言の自由を伝えようとしているのですよね?」と好意的な解釈を示してあげたのだが、ウエストは、「僕はトランプが大好きだ。トランプは僕の仲間」と宣言した。さらに、自分は白人至上主義者ではないと言いながらも、「でもアメリカでは白人が上なのは事実」とも語っている。
これらの発言を受けて、ソーシャルメディアには、「もう彼のファンはやめる。彼の出すものにいっさいお金は使わない」といった投稿が多数飛び交った。デトロイトのラジオ局は、ウエストの音楽をボイコットすると発表。ファッションブランド「Yeezy」でウエストとコラボするアディダスにも、契約を打ち切るよう嘆願の声が寄せられたが、今のところアディダスは様子見の姿勢のようだ。

 


キム・カーダシアン公式Instagram(@kimkardashian)より カニエ&キムの家族写真

 

さらにカニエは自身の整形と薬物依存についてもカミングアウト

これらのどさくさに紛れてしまったが、彼は、このインタビューで、脂肪吸引手術を受けたことも明かしている。術後に鎮痛薬オピオイドを処方されて、依存症になったことのことだ。ウエストは、ニュースルームのスタッフに向かって「君たちにデブと言われたくないから整形手術をしたんだよ!それでオピオイドをもらって依存症になっちゃったんだ!」と、冗談とも本気ともつかぬ形で、ゴシップメディアを責めるようなことも言っている。
(編集部:カニエのインタビューの一部は下記動画を参照ください)

 

Jimmy Kimmel Live公式YouTubeチャンネルより オピオイド依存症についてスタジオでわめくカニエ・ウエストの様子

 
オピオイド依存症は現在、アメリカで自動車事故よりも多くの死人を出している深刻な問題。また、彼の言っていることの中には、セレブのルックスについて好き勝手に言うゴシップメディアの問題も含まれている。ウエストのようなセレブリティが、自らの体験をもとに、深刻に問題解決を訴えれば、きっとそれなりの影響力があることだろう。配慮に欠ける発言のせいで、今や、長年のファンですら、彼の言葉に耳を閉ざすようになってしまったのは、そう思うと、とても残念だ。とは言え、彼が気にしているのは、そんな大きなことではなく、来月発売になる新アルバムの売れ行きの方かもしれない。もしファンにそっぽを向かれてアルバムがコケた時、ウエストはどんな暴言を持って不満をぶちまけるのだろうか。

 

猿渡由紀/L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、日本のメディアに寄稿。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。