From LA:前作から10年たっても色あせない!大ヒット映画の続編に注目

この夏、ハリウッドで続編映画が再び熱い。2006年以来、北米興行成績が最悪となった昨年の夏は、「トランスフォーマー/最後の騎士王」「エイリアン:コヴェナント」などが、がっかりな結果に終わり、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」も、それほどではなかった。そのひとつ前の2016年夏には、「インデペンデンス・ディ:リサージェンス」「ジェイソン・ボーン」「ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>」が期待外れに終わっており、観客は続編疲れをしているのかとの憶測を呼んだものである。だが、今年の夏は、まったく状況が違うようだ。

1996年の第1作から6作目!「ミッション:インポッシブル」は今なお大ヒット中!


ミッション:インポッシブル公式Instagram(@missionimpossible)より

この週末、前の週に続いて1位を死守した「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」(日本公開中)は、6作目にしてシリーズ最高のオープニング成績を達成。また、先週末「ミッション〜」と1位を争った「マンマ・ミーア!ヒア・ウィ・ゴー」(日本公開8/24金)も、1作目とほぼ同じ好成績を収めている。さらに、6月に公開された「インクレディブル・ファミリー」(日本公開中)は、アニメで史上最高の興行記録を打ち立てるほどの大ヒットぶりなのだ。ほかにも、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(DVD発売9/5)「アントマン&ワスプ」(日本公開8/31金)「イコライザー2」(日本公開10/5金)「デッドプール2」(DVD発売9/12水)「モンスターホテル3」(日本公開10/17水)などが成功している。

 
ハリウッドのメジャースタジオにとって、これはすばらしい朗報。今まで信じてきた戦略が、決して間違っていたわけではないことを証明してくれたからだ。利益をしっかり出すという目的上、近年、スタジオが作る映画は、巨額のお金をつぎ込み、世界規模で大儲けできる超大作か、あるいは、ホラーなど、超低予算でそこそこ当ててくれる作品に、二極化している。真ん中あたりのバジェットで、大人の観客を狙った繊細な人間ドラマというのは、メジャースタジオが今、一番作りたがらない映画なのだ。

10年後でも大ヒット!続編映画は今後もますますトレンドになりそう

そして、多額のお金をつぎ込むならば、結果が読みづらいオリジナル作品よりも、すでに知名度があり、手堅い収入が見込める続編やスピンオフ、リブートものが良い。「オリジナリティがない」と責められようが、「アバター」や「タイタニック」はオリジナルなのにバカ当たりしたではないかと説得されようが、株主に損をさせたのが自分だったということは、スタジオのお偉いさんとしては避けたいのである。

 

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マンマ・ミーア公式Instagram(@mammamiamovie)より

 
この夏の続編ヒットが教えてくれたことに、もうひとつ、前作から間が開いていても、マイナス要因になるとは限らないということがあった。「マンマ・ミーア〜」は10年ぶり、「インクレディブル〜」は14年ぶりの続編だったが、ファンはこぞって劇場に出かけて行ったのだ。要は、1作目を見た観客が次を本当に欲していたのかが決め手なのだろう。当たり前のようだが、どんな映画にも次がある必要はないのである。

 
今年はこの後も「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」(日本公開11/23金)、「ロッキー」シリーズの続編「クリード2」(日本公開2019/1/11日)「シュガー・ラッシュ:オライオン」(日本公開12/21金)などの続編が控えている。果たして人は、これらの続編を心から待ち望んでいるだろうか?続編の夏が、このまま無事に続編の秋冬へと移行するかが注目される。

 

猿渡由紀/L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、日本のメディアに寄稿。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。