From NY:恋人探しより困難!?ニューヨークでの部屋探しは争奪戦!

ニューヨークで自分好みのアパートを見つけるのは、デートの相手を探すよりも100倍難しい!」と昔言われたことがあった。その時は全然ピンとこなかったが、実際に自分で賃貸契約を結んでみて、その大変さが本当にわかった。

ニューヨークが舞台のドラマで見たような部屋に住みたい…それは甘かった

何はともあれ、決断力が大切だ。ドラマ「アグリー・ベティ」でも、ベティがアパートを借りようと探しているが、気に入った所があってもタッチの差で他の人に取られてしまうエピソードがあったが、これは本当に日常茶飯事。だから、家を見て気に入ったら、色々確認する前に、とりあえずデポジットを入れないと契約交渉にも持っていけない。しかも、大抵の賃貸アパートは、引っ越しの1ヶ月前からしか見せてもらうことができない。だからそもそも迷っている暇もない。こうして、手に入れたアパートでも実際に住んでみると、不具合が出てきたり…。決められた予算の中で、自分好みのアパートを探すのは本当に至難の技だ。

ニューヨークに住む前は、「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリーが住んでいた様なアパートに住めるかな?とか想像を膨らましていたが、現実はそんなに甘くない。

DEVIANT ARTに掲載されたキャリーの部屋の間取図

20年前のドラマではあるが、キャリーが住んでいたとされる架空のアパートは、アッパーイーストサイドに位置するワンベッドルームのアパートで月々の家賃が$700(約7万8000円)という設定だったはずなのに、現実では$700で借りられるアパートなんて、ニューヨーク中どこを探しても絶対に見つからない。そもそも、マンハッタンの中でも高級なエリアとして知られるアッパーイーストサイドは、エレベーターなし、ドアマンなしの古いアパートでも、1ベッドルーム$3500 (約39万円) が現在の相場だ。マンハッタンで一人暮らしをしようと思ったら、ワンルームでも安くて$1600(約18万円)ぐらいは最低かかる。しかもこの金額は、中心地から大分離れたところの値段だ。そんな訳だから、40代でもシェアハウスに住んでいる人はザラにいる。そしてそのルームメイトが悩みのタネという話は、そこら中に転がっているのだ。

庶民には夢のまた夢…ニューヨークセレブたちの豪華な住宅事情

こうやって一部屋を確保するのにも必死な人たちがいる一方で、マンハッタンの夜景を一望できる高級マンションに住む人も沢山いる。例えばアメリカのメディア王、ルパード・マードックは、フラットアイロン近くに建つ超高級ペントハウスの最上階を数年前に約57億円で購入している。こういったペントハウスは、維持費も非常に高く部屋を所有していても、毎月数百万円の維持費を支払っていかなければいけない。本当のお金持ちしか住むことは出来ないのだ。ちなみにこのペントハウスにはスーパーモデルのジゼル・ブンチェンも最近まで住んでいた。


Andrew Laing Instagram(@ndrew.mcd.laing)より このペントハウスに住んでいるのがマードック

ニューヨーク女子の憧れ、サラ・ジェシカ・パーカー(「セックス・アンド・ザ・シティ」のキャリー役)は、ウェスト・ビレッジの一軒家を所有している。このエリアは、閑静で街並みが美しく交通も便利なため、子持ちのファミリーが沢山住んでいる。ちなみにお値段は、約21億円。以前、雑誌「Vogue」で自宅の一部を公開しているが、本当に素敵なタウンハウスだ。

VOGUE JAPAN公式ページに掲載された、サラの自宅公開動画より
www.vogue.co.jp/

現在、マンハッタンで一番地価が高いのは、トライベッカと言われるエリアだ。ここには、ロバート・デニーロ、レオナルド・ディカプリオ、ビヨンセなどが住んでいるらしい。この辺りのアパートは、どんなに安くても億はくだらない。しかしマンハッタン内には、ほとんど誰も住みたがらない場所が1箇所だけ存在する。それは、5番街の56丁目にあるトランプタワーだ。


トランプタワー公式Instagram(@trumptower)より

かつては不動産王として名を馳せたトランプ大統領だが、現在も自宅があるこの場所は、警備も厳重で彼が来るたびに交通規制が張られ、住人や周辺で店を経営する人たちにとっては大迷惑だ。そのためか、付近のビルはなかなか売れなくなっているそうだ。とは言え、最高の立地にあるトランプタワーで一室を借りるとすると、今でも月650万円ほどするとかしないとか。その金額を払えるならもう少し静かな場所に住みたいというのは当然だ。

年々高騰していたニューヨークの地価だが、ここ2~3年は少し頭打ちになってきているようだ。とは言え、マンハッタンで家を買おうと思ったら、どんなに狭くても最低で数千万円はする。いつになったら、憧れのマンハッタン生活ができる様になるのか、夢だけは膨らむ毎日である。

 

Kay/NY在住TVコーディネーター&プロデューサー

日本のFOXチャンネルで約7年に渡りエンタメ情報番組のプロデューサーを経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。アメリカのエンタメと美味しい食べ物をこよなく愛し、NYの最新情報を収集・探検する毎日を送っている。