9月6日より7日間の日程で行われた今季のニューヨーク・ファッション・ウィーク。昨年は、メイン会場も無くなり、大手ブランドがファッション・ウィーク期間外にショーを設けるなど、若干盛り上がりに欠けるものとなっていたが、今季のニューヨーク・ファッション・ウィークは、多くのセレブリティも参加し、話題に事欠かない1週間となった。
50周年を迎えたレジェンド、ラルフ・ローレンが盛大にショーを開催
今季のNYコレクション最大の盛り上がりは、何と言っても50周年を祝ったラルフ・ローレンのショー(写真上)だろう。ラルフ・ローレンと言えば、アメリカントラッドというスタイルを作り上げた、アメリカで最も重要なデザイナーの1人である。しかし最近は、大規模なリストラを行なったりニューヨーク5番街にある旗艦店を閉鎖するなど、経営にかなり苦戦していた。しかし今季のファッションショーは、そんな悪い話題を払拭する、ラルフ・ローレンの歴史が詰まった圧巻のショーだった。会場のセントラルパークでは、総勢150人のモデルがランウェイを歩いた。50周年を祝うために、ファッション・ウィーク中にも関わらず、ダイアン・ヴォン・ファステンバーグやマイケル・コース、トミー・フィルフィガーなどといったアメリカを代表するデザイナー達も数多く駆けつけていた。またスティーブン・スピルバーグ監督やオプラ・ウィンフリー、ヒラリー・クリントンなど普段ファッション・ウィークであまり見かけることのないセレブも数多く出席していた。ショーの最後に、ラルフ・ローレンが多くのゲスト達と涙ぐみながら挨拶している姿がとても印象的だった。
ラルフ・ローレン公式YouTubeより
その他にも、今年6月に創業者が亡くなったケイト・スペードがコレクションを披露。ブランドのルーツに忠実なショーを発表した。今年創業70周年を迎えるフランスの老舗ブランド、ロンシャンはブランド初となるランウェイショーも行なった。ゲストには、ブランドの新しい顔になったケンダル・ジェナーやケイト・モスなどが出席して、華やかなイベントとなった。また、歌手のリアーナがローンチしたランジェリーライン、SAVAGE X FENTYのショーも行われた他、マドンナの娘、ロデス・レオンがランウェイデビューを果たすなど、本当に話題に事欠かない1週間だった。
ロンシャン公式Instagram(@longchamp)より
2018年秋のニューヨークには、参加型イベントが大量発生
今季はファッション業界に籍を置かない人たちでも楽しめる工夫が、至る所に散りばめられていた気がする。WWDが主催したオープンパブリックのファッションイベントや、一般向けに行われたファッション関係者とのパネルディスカッション、ポップアップストア、美術館で行われたファッションのインスタレーションなど参加型のものも数多く登場した。中でもファッション・ウィーク限定で数年前から行われているアートイベント29 Roomsは今季も長蛇の列を作っていた。29 Roomsはミレニアル女性向けのオンラインメディアRefinery 29が開催しており、フォトジェニックで感性を刺激してくれる29の部屋の中でモデルさながらポーズを取り、写真を取ることが出来る。多くのファッショニスタたちがインスタグラムに写真を投稿していた。