From LA: あの人気セレブも!ホラー映画は俳優たちの登竜門だった

今日はハロウィン。毎年この時期になると、ハリウッドは必ず新作ホラー映画を公開するが、今年はその名もずばり「ハロウィン」(日本公開未定)が、大ヒットしている。そう、40年前に世界中を怖がらせた「ハロウィン」の続編だ。

ジョージ・クルーニーやアンバー・ハートも!ホラー映画俳優列伝

このシリーズはその後、何本も作られたが、今作は1978年のオリジナルから直接続くという設定で、ジェイミー・リー・カーティス(写真上)が再登場している。現在59歳のカーティスにとって、この映画はデビュー作だった。その後、彼女は、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」「マイ・ガール」「トゥルーライズ」「フォーチュン・クッキー」など、数々の映画に出演していくことになった。
無名時代、ホラー映画に出演して後に大スターになった女優は、他にもたくさんいる。たとえばレネ・ゼルウェガーは、「ザ・エージェント」でトム・クルーズの恋のお相手を務めてブレイクを果たす前、「悪魔のいけにえ/レジェンド・オブ・レザーフェイス」に主演した。「グレイテスト・ショーマン」「ワンダーストラック」「ゲティ家の身代金」「ヴェノム」「アイ・フィール・プリティ」と、今年は出演作が5本も日本公開されるミシェル・ウィリアムズも、18歳の時には「ハロウィンH20」に出ている。
クロエ・グレース・モレッツのデビュー作も、8歳で出演した「悪魔の棲む家」。アンバー・ハードも、初の主演作は「All the Boys Love Mandy Lane(日本未公開)」。ルーニー・マーラは「ソーシャル・ネットワーク」の前にリメイク版「エルム街の悪夢」に出演、エリザベス・オルセンもキャリアの初期に「サイレント・ハウス」に出演した。

 

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エリザベス・オルセン公式Instagram(@elizabetholsenofficial)より。懐かしいドラマ「フルハウス」の双子、オルセン姉妹のさらに妹さんです。

 
もちろん、女優だけではなく、男優もいる。「悪魔のいけにえ〜」でゼルウェガーと共演したのは、同じくテキサス出身のニューフェイスだったマシュー・マコノヒー。「ハロウィンH20」でウィリアムズの共演俳優は、ジョシュ・ハートネットだった。ジョージ・クルーニーは、17歳の時、ホラーコメディ「Return to Horror High(日本未公開)」に出演している。

ホラー映画から人気スターが輩出される理由とは?

ホラーがキャリアのスタートポイントになる理由は、いくつかある。ひとつには、多くの作品がコンスタントに作られるジャンルであること。低予算で製作でき、ある程度の観客数を期待できるこのジャンルは、リスクが少なく、そこそこの利益が得られる。観客は、怖がること目当てで劇場に来るのであり、スターが目的ではないので、有名俳優を出す必要はない。また、観客の層が若いため、出演者も同じように若い方が良く、無名の若手俳優をということになるのだ。

 

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アニヤ・テイラー=ジョイ公式Instagram(@ anyataylorjoy)より。個性的なルックスで今、人気の女優さん。

 
最近もまた、このジャンルからは注目の若手女優が誕生している。「ウィッチ」「スピリット」のアニヤ・テイラー=ジョイはそのひとり。また、Netflixの「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のミリー・ボビー・ブラウンもそうだ。そう考えると、ホラー映画を見る楽しみは、もうひとつ増える。このハロウィン、パーティに出かけず家にいる人は、そんな視点から、家でホラー映画を見直してみてはいかがだろうか。

 

猿渡由紀/L.A.在住映画ジャーナリスト

神戸市出身。上智大学文学部新聞学科卒。女性誌編集者(映画担当)を経て渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスター、映画監督のインタビュー記事や、撮影現場レポート記事、ハリウッド事情のコラムを、日本のメディアに寄稿。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。